今回インタビューしたのは、個人向け総合不動産コンサルティングサービスを提供している 株式会社さくら事務所 の執行役員・田村啓氏。大型の社内プロジェクトのため、スキイキで外部人材を募集・活用した背景や、その価値実感、上手な活用のためのコツなどをお伺いしました。普段から多くのプロと事業を動かしているさくら事務所ならではの視点も語っていただいたので、ぜひ参考にしながらご覧いただければと思います。プロジェクト期間に合わせ、社内のPRチーフ役として外部のプロをアサイン!― 株式会社さくら事務所は、どのような事業に取り組まれているのですか?私たちは、「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」をミッションに、第三者的な立場で中立・公正に、利害にとらわれない住宅診断(ホームインスペクション)やマンション管理組合向けコンサルティング、不動産購入に関する様々なアドバイス業務などを提供しています。住宅診断の業務を行う建築士は少なくありませんが、さくら事務所では専門の「ホームインスペクター(住宅診断士)」が多数在籍しており、調査技能はもちろん、それだけではなくご依頼の目的や状況に沿った的確なアドバイスができることが強みです。おかげさまで、アンケートでの満足度は98%と、設立以来多くの方にその価値を実感していただけています。― 新たな人材を探すにあたって、どのような課題や背景があったのでしょうか?事業自体は着実に成長している一方で、採用力不足による人員確保の悩みがありました。ホームインスペクター以外にも、事業のために重要で、かつプロフェッショナルとして即戦力性も必要な職種が多くあります。今回は、当社代表の新刊書籍が出版されるタイミングで、その広報プロジェクトを担当していただける人材を探していました。すでに社内に広報担当は数名いるものの、単なるタスク的な広報業務だけではなく、代表と他メンバーの間に立ちながら、戦略レベルから実務支援まで可能なプロが不足していたのです。― 中途採用や外注ではなく、スキイキで外部人材を募集することにした理由を教えてください。ひとつは、担当していただくプロジェクトが明確だったためです。出版にあわせたPRなので、予定期間が初めからおおよそ決まっており、かつそれに向けてスムーズに協働開始していくためには、通常の採用方法ではスピード感にも不安がありました。もう一点は、豊富な経験を活かして柔軟に活躍してもらえる即戦力人材を希望していたためです。広報実務としては、主にプレスリリース作成や、伴って必要な定例会議や企画立案などを元から想定していました。しかし、タスクを切り出しての業務依頼だけではなく、チーフ・マネージャーのような立場で社内で活躍してもらうには、それ相応の経験やノウハウがないと難しく、その観点ではやはり外注とも異なる方法が適していると考えていました。結果もスピードも諦めない、自社に合った外部人材との出会い― スキイキで外部人材活用してみて、良かった点や印象はいかがでしたか?普段社内で使っているSlackを通してやりとりをしてもらえたので、希望する人材に出会い働き始めるまでの流れが非常にスムーズでした。日頃から業務でもスピード感を重視する会社風土のため、カスタマーサクセスの方に柔軟に対応いただけて助かりましたね。― 実際に、イメージしていたプロと出会うことはできましたか?希望通り、求めるプロフェッショナルと契約できました。当社は元々、グループ全体で多くの複業やフリーランスの方と業務委託契約しており、そういった人材形態に対する経験値がそれなりにある方だと思います。そのため「こういう方はうちのカルチャーだと難しそう」「プロであればこのくらいの自走の姿勢も欲しい」といった基準感がいくつかあり、それに加えてプロジェクトとして求める結果へのコミットの視点も欠かせないため、誰でも人員増強できればいいという目的感ではありませんでした。結果的にマッチングできたのは、大型新規事業の立ち上げやスタートアップ企業でのCMO経験など十分な実績があった上、その仕事ぶりやスタンスにも満足できるような方でした。プロジェクトがひと段落したので契約終了しましたが、また機会があればご一緒したいくらい感謝しかありません。そうした方をカスタマーサクセスの方が推薦・面談支援してくれたので、その意味でもスキイキのサポートはありがたかったですね。プロの力をどう活かせるかの分かれ目?求める要件を整理することの大切さ― プロの力を活かすということに慣れていると思いますが、そのような人材活用の考えは元からあったのでしょうか?当社の設立は1999年で、株式会社化は2003年に行っています。当時、まだ世の中に複業やフリーランスといった概念や活用はほとんど浸透していなかったと思いますが、その頃から「プロと仕事をする」という考え方は社内にあったはずです。2000年代前半くらいの頃は、専門の会社に外注することを除いては、PR人材という存在自体が中途採用市場ではあまりいなかったような感覚を持っています。ただでさえそのような状況の中では、既存の “当たり前” で採用活動をしていても期待するような人とはなかなか出会えません。そうした背景もあってか、ただ人手を探すのではなく、プロフェッショナルに出会って共に働くという視点は早くからあったと思いますし、それは今で言う複業・フリーランスの方と働く、外部人材活用のような考え方に近かったのかもしれません。― プロと出会い上手に活用するために、御社では何を大切にしていますか?自社の課題に沿って、求める人物像を明確にする・言語化できるようにしておくということがやはり重要だと思います。実務としては、募集する担当プロジェクトの内容に沿っていて、かつ貢献してもらいたい立場の経験やノウハウがあるかといった観点になりますが、それだけではなく働き方やスタンスなどの定性的な相性もあるはずです。当社の場合は、「課題をいかに自分ごと化できるか」「どのくらい結果にコミットしてくれそうか」「担当しているタスク以外のことにも前向きか」といった指標を持っています。つまり業務方法・風土に合いそうかという意味での “カルチャーフィット” のための軸ですね。特にスキイキのようなプラットフォームを利用すると、出会える人材のスキルセット自体には不安は少なく定評があるイメージなので、それ以外のこうした軸の棚卸しが済んでいるからこそスムーズに面談や検討ができていると思います。― 面談の話が出ましたが、良いマッチングのために募集前以外でも工夫されていることはありますか?人柄も含めてその人の能力や特性を知りたいと思っているので、なるべくカジュアルな形で堅くない面談を心がけています。場合によっては、最終的に予定外の領域まで仕事を広げたり調整させていただく可能性も考慮して、求職者の人柄に合わせて何を担っていただけそうか柔軟に検討する視点を持っていたいですね。実際に契約し、業務スタートする際には、まずは当社の理念や目指していることも改めてしっかり共有すること、フラットに意見出しできる環境にしておくこと、あとはマネジメント側の判断スピードも上げることで円滑に担務遂行してもらえるようにというのも意識しています。― 外部人材活用の価値は、御社にとって何でしょうか?何よりのメリットは、ひと言にすれば「自走して結果にコミットできる人材を確保できる」ということだと思います。ミッションや役割、業務方法などの棚卸しをして連携できれば、一般的な育成のプロセスを省略し最短・最速で必要なことを形にしてもらえますし、自社でやってこなかったので知見がない領域の仕事を頼むこともできますね。そうした力を提供できるのがプロフェッショナルとも言えます。これは他の採用方法ではなかなか満たせないところなので、当社のような組織には特に合っていると実感しています。それと同時に、自走とは言っても、それは放置や放任ではないということは誤らないように注意が必要だとも思います。先ほどの通り、業務依頼の前提となる棚卸しや共有・連携は欠かせませんし、教育ではなくとも業務上のマネジメントや社内調整は少なからず必要です。これらはプロフェッショナルの力を適切に活かし、最大化してもらうためでもあるので、当社も試行錯誤し続けていきたいですね。