今回インタビューしたのは、アニメ、キャラクター、ゲームなどのIPを使った事業立ち上げを行う 株式会社イーディス の武田 清満氏。様々なステークホルダーと協業し、話題のアニメ、キャラクター、ゲームなどとのコラボイベントやコンテンツを開発をしていくというプロモーション業務を担う武田氏。スキイキを利用して外部人材を活用した背景から、実際の活用方法、外部人材を活用するメリットなどをお伺いしました。外部人材の経験やスキルを引き出し、ステークホルダーと良好な関係を築いてプロジェクトを成功に導く方法や、事業フェーズに合わせた活用方法などについてもお聞きしたので、ぜひ参考にしながらご覧いただければと思います。集客したい企業とグッズ販売を掛け合わせて「体験できる」企画を生み出す!― 武田さんが取り組まれている事業について教えてください。アニメやキャラクター、ゲームを使ったコラボ企画、直営店舗でのグッズ販売、キャラクターグッズ制作などに取り組んでいます。コラボ企画では、主に自社以外の5業種の会社と組むことが多く、商業施設などで1日楽しめるようなキャンペーンイベント・コンテンツを作っていますね。例えば、アニメ映画の上映期間中に、近くの商業施設でそのアニメ一色にジャックする企画を行ったりすることがあります。商業施設内に、展望台・水族館・プラネタリウム・ショッピングエリア・レストランエリアなどがあるので、それぞれに謎解きを設けてぐるっと周遊してもらうような工夫を施しながら、フォトスポットも設置したり、着ぐるみに来てもらったり、対象メニューを頼むとプレゼントがもらえるキャンペーンを同時開催したり、そこでしか買えないオリジナルグッズも販売したり、あらゆる仕掛けで1日中楽しめるような企画をします。集客をしたい商業施設さんとオリジナルグッズを販売したい当社でタッグを組み、伴走しながら様々な場所で新規企画を生み出すような仕事です。― どのような業界や企業とコラボしているのでしょうか?協業先としては、商業施設やテーマパーク、飲食店、自治体、鉄道会社、旅行会社など多岐にわたります。テーマパークの場合には、鉄道会社と組んでSLを走らせたり、鉄道の旅をプロデュースし、旅行会社に旅行企画化してもらって販売したりしたこともあります。鉄道利用者だけでなく、マイカー利用者にも楽しんでもらえるよう、謎解きやフォトスポット、コラボフード、オリジナルグッズを用意し、「せっかく来たのだから」とお客さんに魔法をかけるような企画を考え、共同で予算を出し合いながら、在庫は当社で持つというようなビジネスモデルです。― テーマパークや商業施設と聞くと、規模が大きい企画が多い印象がありますが、ほかにも取り組んでいることはありますか?アミューズメント施設などとも組んで、予算規模に合わせて作品の要素をうまく入れて世界観を演出しながら取り組んでいます。しかし、ただグッズを作っただけではなかなか売れないのが実情です。キャラクターを体感・体験して初めて購買意欲にもつながるので、そこをワンストップで出来るように企画しながら、グッズの制作・販売も両方できる企業というのはあまりいないと思います。そのような背景もあって、イーディスを起業しました。自治体の周遊企画で提案したこともありますし、外食企業と組んで飲食店コラボをするケースもよくあります。誘致や販促はもちろん、グッズの売り上げも期待できるので、協業先にとっても取り組みやすい企画ですね。基本的にはリアルな場や店舗で引きになるプロモーションなので、コンタクトレンズ店やアパレル、インターネットカフェ、カラオケチェーンなどでの経験もあります。たった3年でこうして名だたる企業や自治体と組めているのは、ビジネススキームがうまくニーズにはまったこと、また実際に企画や制作を行うチームによる力が大きいと自負しています。ニッチな事業内容が肝。特殊なスキルが求められるからこそ外部人材を活用!― もともと業務委託で人材を探していた背景は何だったのでしょうか?今、当社には社員が16人ほど、外部人材が今5~6人、合わせて20人前後の規模で事業に取り組んでいます。事業内容や業務が特殊なので、人材に求める経験やスキルも特殊なところがあると思います。単にアニメやゲームが好きというだけでは務まりませんし、かと言って全く知らないのでは難しいです。事業拡大に伴って、権利元をはじめ、様々な企業や取引先などステークホルダーを引っ張り、バランスを取れるような人材を探していましたが、社員として探すのはかなり労力がかかるものでした。たとえ採用できたとしても、業務内容の複雑さが原因で辞めてしまう恐れもあると考え、業務委託契約の方が良いかもしれないと思い立ったのが始まりです。― スキイキを活用し始めたきっかけを教えてください。最初は、マイナビエージェントの営業の方から、『スキイキ』という新サービスが始まることを聞いたのがきっかけです。スキルを持ったプロフェッショナル人材を業務委託で活用できるという点に興味を持ちました。実際にカスタマーサクセスの城田さんとやり取りする中で、意図を汲んでレスポンスや提案をしてくださって信頼できそうと感じたのも、結果的に利用してみようと決めた理由です。― 実際スキイキを通して、どのように人材活用をしたのでしょうか?振り返って良かったと感じた点はありましたか?スキイキを通しては、3人の外部人材の方と取り組みました。どの方も基本的には同じミッションで、コラボ先の提案・営業や、企画を実現させていく進行・調整面などを担当してもらいました。外部人材の方の人脈で、アニメやゲームのキャラクターを使って何かできないかと考える企業さんがいれば、当社もその企画から実現までサポートするような形です。あるいはメーカー的な発想で、既存の商品パッケージにキャラクターを起用するようなタイアップや、イベントを仕切ったりするような企画もありました。要するに、手法は何でも良いのです。普段からキャラクターグッズやイベントを作っている当社が権利元とのつながりも活かしながら案件を拡大していきたいので、人脈や知見を活用して面白いことができそうかを募集するようなイメージで提案書を持ってきてもらったりしました。今までアプローチしたことがない業界など、当社では営業しきれない部分であっても、外部人材のこれまでの経験も活かしてもらえれば、その相手のニーズもよく分かっていると思うので、お互いにとってチャレンジできる機会が増えていきます。そういう協働関係で取り組めるのがスキイキのプロフェッショナル領域ならではと感じました。その方がいなければ思い至らないことや実現できないアイデアが生まれ、非常に良い企画として形になることもあるので、 “ただの人員補強ではなくスキルや経験・人脈の活用” という意味で『スキイキ』ならではの活用方法かなと思っています。中には、現職で大手の通信会社の経歴を持った方もいましたね。彼が持ってきたネットワークのおかげで、今まで実績がなかったスマホアプリ関連の案件ができたという事例にもなりました。― 逆に外部人材を活用してみてわかった、課題となる部分はありましたか?実際に『スキイキ』を使いながら感じたことですが、「継続性」の視点は重要なのかなと思いました。当社の場合、人脈を活用していただく外部人材の方が多かったので、それだけど、一通りアプローチが終わってしまうと、その人材活用・契約の継続メリットがお互いに減っていきます。そのため、人脈の有効活用に限らず、新しい提案も行なってくれるような専門的な営業ノウハウを持った方と組めると特に良いなと思います。外部人材と一口に言っても、副業の方もいればフリーランスとして独立している方もいます。当社で協働していた方は基本的に副業人材で、スキルや知見はあるものの時間的制約も大きかったので、そのような都合が起因しているとも言えるかもしれません。即戦力が必要な役割を、必要な時に!状況に合わせ最適な人材を見極めるという考え方― 外部人材との面談では、どのような点を意識して話を聞いているのでしょうか?経験や知見、携わった事例でしょうか。ただ、私が厳しく見ているせいもあるかもしれませんが、当社のように特殊な業態となると、単に営業経験がいくらかあるというだけでは難しいので、その意味では選考基準は高く設定していて、面談する段階で人数は絞り込まれている状況です。基準を高めておく理由は、専門スキルや業務遂行力を元に委託しているのに、過剰な教育のような手間がかかってしまっては本末転倒だからです。なので「マンツーマンで教えないとけないかな」と思ったらアサインを見送ることも珍しくないです。今の当社のフェーズは事業拡大していく段階であり、新卒採用のように時間をかけて育成しながら活躍してもらうような体制を作れる状況ではありません。フェーズが変われば人材への視点も変わると思いますが、フェーズに合わせて柔軟に活用できるのが『スキイキ』の魅力でもあるので、今はそのような意識で臨んでいます。― スキイキで活用した人材には、面談の際に何かアイデアや提案を聞いたのですか?面談時はまだ契約していないのでそこまで細かい提案ではなく、箇条書き程度の計画や稼働イメージをもらったりしました。そうしたものを元にコミュニケーションを取ってみるだけでも、目のつけどころや適性は感じ取れます。実際、その時にマッチしている実感のあった方は、稼働がスタートしてからも良い企画をあげてきてくれる印象がありますね。― 3人の外部人材を活用してみて、率直な印象を教えてください。3名とも副業だったこともあり、基本はフルリモートで業務してもらいました。時には出社の場合もあったので、実務上のコミュニケーションは問題なく取りやすかったと思います。副業かフリーランスかという違いも多少影響しそうな部分ですが、業務によってはフルリモートではないほうが、他メンバーと連携しやすいこともあったり、もう少し突っ込んだ関係で自主的な提案・業務をしてもらいやすくなったりもするかもしれません。例えば、進行管理を依頼するような外部人材の方などは、業務委託でも出社のバランスある程度あった方が、仕事の流れを感じ取ってもらいやすかったり、スピーディーに意思疎通が図れるという場合も考えられます。やはり近くに居て社内のことを理解してくださっていると、こちらから細かいことまで伝えやすいですし、その方もより能動的に動きやすいこともありますよね。一方で、具体的な企画やそれに伴う資料作成など、ノウハウ中心だったり単独作業で済みやすい担務の場合は、フルリモートでも全く問題ないですね。重要な軸はあくまでその人のスキルや担務適正なので、働き方はそれに合わせていけばよいと感じます。― プロジェクトやチーム作りにおいて、外部人材活用だからこそ意識していた点はありますか?新規のプロジェクト立ち上げのところは、社内で連携するというよりも、権利元や取引先などのステークホルダーとやり取りすることが多いので、当社の場合はチーム作りで苦労したことはあまりありません。むしろ、外部人材の方が営業してくれたところから立ち上げていくので、その相手と既に関係性ができていたりすることもあります。業態の特性上、ある意味ではステークホルダー全体で1つのチームという考え方ができるからかもしれません。プロジェクトがさらに増えて同時並行で動かしていくとなると、人材活用の規模もどんどん大きくしないといけないという思いはあります。そうするとリーダーとなって旗を振るのが得意な推進力ある人材の方と出会わないといけませんが、当社のような業務内容でもそういう役割でマッチできる方がいるか、今後考えていく必要があります。今のフェーズだと、これまでお話したような営業中心のスキイキ利用が当社には合っているのだと思います。フェーズが変われば、社内メンバーと連携する部分でのシナジーにも着目しながら外部人材活用をするかもしれませんね。これからの人材活用はどう考える?スキイキだからこそ期待する新たな発見とは― 現在もスキイキで募集掲載をしているとお聞きしましたが、どんな人材からの応募があるのでしょうか?2022年に募集を開始してから今もそのまま掲載は続けているのですが、内容を魅力的に受け取ってもらえているのか、コンスタントに1日数件は応募がきています。しかも、将来独立して自身でビジネスを作ることを目指しているような、キャリア形成意識が高い人が結構多い印象です。これは『スキイキ』らしい傾向なのかもしれません。カスタマーサクセスの城田さんがスクリーニングを手伝ってくださり、その中から当社に合いそうな方と面談は継続的に行なっています。現状では人員数の面でも不足が顕著というわけではないので、既にキャラクター関連の経験値がある人に絞って検討・活用していく方針で、意図的に狭い間口にはなっていますが、こうして状況に合わせて使いこなしていけるのが『スキイキ』の面白さだと思っています。― 今後人材を見つける際に、人材活用サービスをどのように利用していくか武田さんの中でイメージなどがあれば教えてください。本当にピンポイントで求めているスキルや入ってもらいたいポジション・担務が決まっており、かつ自社への理解がある人材エージェントに頼めるような場合は、コスト面などの違いはあれどそれでも問題はないと思います。一方で、『スキイキ』ならではの良いところは、「面白そうなことをやっている会社だ」と嗅ぎつけて応募してくれる人たちが、組織やプロジェクトに新たな息吹をもたらしてくれることだと感じます。当社の取り組んでいることに対して主体的に捉えてもらえ、何か良いアイデアを持ってきてくれたり、これまで実現できなかったことをできるようにしてくれるのではないかと考えています。こちらで決めている・頭にある範囲の活躍ではなく、それを超える可能性というのでしょうか。明確な枠組みで絞らないからこそ、新しいビジネスメソッドや業務推進の発想が入ってくることもある気がしています。― 武田さんにとってスキイキに期待したいことはありますか?本当は、『スキイキ』がさらにもっと広がっていったらいいなと思います(笑)。当社の募集だとフリーランスの方からの応募が多い印象なので、もっとサービスが拡大することで、募集する企業・案件のパターンが増えて、結果的に副業として登録・活躍できるユーザーも増えてほしいですね。本業での時間的都合などもあるのですが、大手企業や勢いのあるベンチャー企業などで現在進行形で経験を積みながら、副業でもそれを活かして活躍したいというモチベーションは、フリーランスの方とはまた違う魅力もあるように感じています。― 最後に、これからも外部人材の活用は続けていくのでしょうか?『スキイキ』の活用は続けていきます。料金設計的に合っているというのもありますが、新しい発想を取り入れていったり、新たな企画を提案するためにも外部人材活用はやはり必要です。当社がコラボ企画を始める際には、「一緒にやりませんか?」と新規営業する場合はもちろん、既に関係値がある企業さんとは「こんな企画できない?」などと逆に持ち込まれる場合もあります。いずれの場合でも、単に営業と言っても、キャラクターやステークホルダーとの仕組みをある程度わかっている必要があるので、一般的な有形商材の営業スタイルとは異なるのです。場所や商品、お店などとの掛け合わせで発展させるようなやり方なので、そうした視点を持ったプロフェッショナルはこれからも欠かせません。もちろん、制作面での進行管理を担う人材もいますが、新しいビジネスを生み出したり、マッチングのアイデアやその拡大を担っていくような部分のコア人材はまだ基本的に自分しかいません。いずれ育成の面でまた外部人材の力を活かしたやり方が見えてくることもあるかもしれませんが、状況に合わせて、今は即戦力として活躍できる外部人材に出会えるというメリットがありますし、今後も都度ニーズごとの活用意義を模索し続けていくと思います。