今回インタビューしたのは、福岡・北九州に拠点を構え、一般住宅から店舗・事務所・工場まで電気工事業全般のトータルサービスを提供している .Noah(ドットノア)ホールディングス株式会社 の代表・松村圭一郎氏。業務委託によるプロ人材との協働で新規事業スタートアップに取り組み、今では他のグループ企業にもその活用を広げている事例として、実感しているメリットやスキイキならではの魅力などについてお伺いしました。フリーランスや副業・兼業人材への注目が高まるものの、不安解消や有効な工夫についてお悩みの方はぜひサービス検討や活用イメージを深める参考としてご覧いただければと思います。グループとして急成長中の組織が、新規事業会社での即戦力の中途採用に踏み留まっていた?― 松村さんが経営されている事業について教えてください。主に電気設備、空調、キャリア通信・ネットワーク工事業などの電気工事業全般を、組織をグループ化しながらワンストップで提供するサービスを提供しています。組織のビジョンとして掲げているのは「誰もが働きたい電気工事会社を創る」ということで、まだまだ道なかばではあるのですが、業界の慣習が未熟なので、「しっかり週休2日制を確立する」「80歳まででも働けるような肉体労働に依存しない環境を整備する」「他業界との年収の格差を解消する」といったことから実現できるよう公約として設定し経営に取り組んでいます。ただ、元々私が作っていた1つの会社の力だけでは実現できないことでもあるため、現在はそれに向けたステップとして、 M&Aで積極的に同業会社を巻き込みながらグループ全体で拡大しているという状態です。― 非常に早いスピードで成長していると思いますが、現在の従業員規模や松村さんの担当役割はどのような状況でしょうか。グループ全体では、社員はおおよそ70〜80人くらい(2023年11月時点)ですね。現在は9社で構成しており、私自身はグループの経営責任者として、それぞれで出てくる組織・事業課題への対応や、環境作り、M&A関連業務、あとは人材採用などに注力しています。各社での実務に干渉するというよりは、グループ・会社を伸ばすための役割に集中しているようなイメージです。― 人材採用・活用の検討に至った課題や背景をどのようなものでしたか。グループの中で1社、新規事業組織としてGooGooLinkという会社を立ち上げまして、「保育現場の負担軽減をしながら小さな命を守る」というテーマのもと、午睡チェックウォッチ&心拍確認システムのプロダクトを提供しています。そこでは、まだグループの中から適任者として移籍してもらった社員が2〜3人だけ、あとは私をはじめ役員が数名関わっているというスタートアップらしい状態で、私自身もプロダクトの企画・開発も担当しており、もう少し組織としてリソースを強化したいと思い人材採用を考えていました。ただ、私たちの業界は、そもそも転職顕在層と言えるような人材、つまり中途採用の母集団が十分にはいなくて、まず応募すらなかなか理想通りには集まらないという前提認識があり、それでもなんとか採ろうと思うと想定職務・ポジションなどに見合っているとは言いづらい、必要以上の待遇を設定せざるを得なかったりするという市場背景はネックでした。そんな中でコアな業務や専門知識が必要なところをすぐに担える人材が欲しいとなったら非常に大変で、特に状況が変動しやすい新規事業などだと一層、採用後のミスマッチや注力領域が変わることによる懸念もシビアに考えておかないといけないため、中途採用がベストではないかもしれないというところからの採用課題でしたね。採用活動としてのコストパフォーマンスや人材の即戦力性・スピード感の違いをすぐに実感!― 今回、スキイキを導入していただくにあたり、プロ人材の業務委託採用・活用について以前から考えていたのでしょうか。いえ、元々はプロ人材という選択肢はありませんでしたね。ここ数年、色々なところで副業・兼業とかフリーランスについて見聞きすることが増えてきたという印象はありましたが、具体的な理解やインプットがあったわけでもなく、業務委託契約っていうのもいまいちピンとは来ていませんでした。採用強化を検討し始めていたときにちょうど、以前より別件でご縁があったマイナビさんの北九州支部の方から「『スキイキ』というのがあって、今のGooGoo事業の状況やスタイル的に社員雇用よりこういうのが合っているのではないか」と簡単に紹介いただく機会があり、それから具体的に考えるようになりました。― ご検討を経て、最終的には何は踏み出すきっかけになりましたか。新規事業というのもあって、とにかく即戦力が必要だということと、人材コストが事業に直結しやすいので検討要素として比重が大きいということだと思います。いわゆる派遣契約も以前少しやっていたことがあるのですが、そのときは結果的には、あくまでただリソース確保のためだけに人手を確保したような形になったという印象でした。依頼業務に対して時間給与がアルバイトのように安いわけではなく、1人あたり月40万円くらいお支払いすることもあったのですが、それに見合うような専門性や自走性のある仕事でもなかったため疑問が残るまま終わらせてしまいまいた。かといって新卒の採用だったら効率的なわけでもなく、戦力化までは相応の時間もかかるので、新規事業のような取り組みには合いづらい。戦力化した頃にはもう事業は別のフェーズに進んでいて、当初の育成の重点とはずれてきているようなケースも考えられるというのがネックでした。そんな悩みもあって「即戦力かつフレキシブルに動けてもらえて、実態と不相応なコストがかかりづらい方法が必要かもしれない」ということを考えていたため、業務委託であれば上手く活用できればそれらを満たせるかもしれないという期待は持って捉えていました。― 初めてのプロ人材活用ということで、期待だけではなく不安材料や懸念点もありましたか。多少はありました。おそらく活用したことのない企業からするとよくあるイメージだと思うのですが、例えば「社員としての雇用関係でなくても仕事に対する責任感は伴ってくるのか」というところですね。リモートでの協働が基本になってくると思うので、リアルタイムでいつでも状況がわかるわけではなく、社員のようにいつも近くにいて業務管理するようなものでもないですし、「稼働時間を基準に契約したところで本当にその分ちゃんと仕事していただけるのか」「成果に向き合ってくれるのか」といったような心配の気持ちは出てきます。ただ、それはリモートという手段自体がダメという話ではないと思いますし、私たちもそういう風に業務の在り方を切り替えていきたいという考えはあって、ちょうどある事業部でリモートベースのスタイルをおためし的に始めていたタイミングだったんですね。将来的には「事務所のない会社」っていうようなキャッチフレーズを掲げたいとも思っているので、今回のようなプロ人材の業務委託活用も、不安はあってもまずはチャレンジしてみようと思って踏み出しました。― 活用してみて、すでに実感しているメリットや、解消した懸念点などがあればぜひ教えてください。育成のリソース不要で、業務パフォーマンスや貢献・成果を軸に協働関係を作れるというのが、最もわかりやすく魅力的なメリットだと実感しています。新規事業系のプロジェクトや、または既存業務でも状況によっては、どうしても人材育成の時間やコストをかけてでは解決できない課題に直面するということがどんな企業でもあると思うので、そういうときにスピーディーに対策できるというのは、他の人材採用・活用の手段ではなかなか実現が難しいポイントではないでしょうか。実際、現在当社で協働しているプロ人材の方も、こちらから一方的に期待や求めていることを伝えるだけではなく、課題や状況にあわせて主体的に「このくらいの期間があればこういう動き形でこんな業務・成果を目指せる」と提案してくださったりもして、お互いに巻き込んですり合わせていくことも多いです。そのスピード感は、これまで一般的な新卒・中途採用や従来の派遣社員採用しか行ってきておらず、育成やマネジメントにも相応の時間や手間がかかるのが当たり前という感覚からするとかなり大きなインパクトがあるはずなので、まだ未経験の企業の方にはぜひ体感してみてほしいですね。また、人件費にまつわるコストのメリットもかなりわかりやすく感じられると思います。例えば1人の正社員を雇用するにしても、社会保険など諸々含めて少なくとも毎月30万円前後はかかるというのと比べて考えると、スキイキでの業務委託活用だと月数万円の定額サービス料で5〜6人でも即戦力とマッチングできて、あとは個々の稼働してもらう分に応じた稼働報酬がかかるというだけなので、コスト効率・わかりやすさは段違いですね。私たちのグループでは、今やっている新規事業の会社で先行的に、新しい会社のあり方を模索していこうという意図を込めて、「最低限のコア社員だけ固定人員として配置して、あとはプロ人材の方たちとの業務委託をベースにした組織体制でどこまで事業を伸ばせるのか」っていう考えも持って活用しています。まだまだ当社なりに実験的にやっている段階ではあるのですが、そのスタイルだと事業を進めるスピードを速く、またその状況やフェーズにあわせて人員も柔軟に調整できますし、特にスタートアップ的な取り組みだと動きやすくなるのではないかなと思っています。採用業務は闇雲にやらない!CSとの密な連携と工夫により最速のマッチングを実現― 今回、募集開始からプロ人材と契約・協働するまで非常にスピーディーでしたが、何がポイントだったと思いますか。一番は、カスタマーサクセスの城田さんが担当としてついてくださって、要件の整理や募集原稿、候補人材に伝えたほうがよいことなどワンストップでサポートしてくださったのが大きいです。これまでの経験では、先ほど触れた中途採用の難しさもあってか、選考フェーズを進めていっても結局相手のほうから断られるというようなケースも珍しくなく、ちゃんと伝えたかったことが伝わってないのではないか、伝わり方がよくないのかといった悩みは尽きませんでした。なので、せっかく全体的なサポートをしてもらえるプランがあるとのことだったのでお願いしてみたのですが、これが本当に良かった(笑)。当社の前提となる背景や課題意識を踏まえた募集方針のコンサルティングのようなところから、募集掲載原稿や面談などで説明した方がよいことやその長さ、参考情報・資料としてどんなものがあれば候補者に訴求しやすいか、またその伝え方など、とにかく一気通貫で相談させてもらいました。中には、「なぜ今こういう人材を求めているのか」といったような根本的なところから候補者と面談時などにコミュニケーションを取れた方がいいなど、プロ人材との業務委託ならではの視点も含まれていたと思います。通常の中途採用だと、そんなところから丁寧に開示しなければいけないというほどの感覚はあまり無いと思うんです。ただ業務委託の方々は本業とのマルチワークだったり、フリーランスとして複数のプロジェクトに携わっていたりするので、自身がパフォーマンスを発揮できる・関わる意義がある仕事かどうかを考えるために重要なこともあるのだと気付きました。雇用とは違って、厳密な意味でも双方が対等ということですね。― 募集の掲載時点で考えられていた工夫があれば教えてください。今回最初に募集・契約できたのは、新規事業プロジェクトのGooGooに関するもので、プロダクトの製造OEM先を紹介してもらうような営業担当の募集でした。業務としてニッチですし、そもそも中国をはじめ海外の工場などとのコネクションも必要で、非常にピンポイントなものだったんですね。しかし、そこでプロダクトや想定業務のことを曖昧にして、アプローチ範囲を安易に広げようとするのではなく、実現したいことや担当してもらいたいポジション、期待する業務・成果のイメージなどを可能な限り丁寧に開示して、絞って狙うような訴求のほうがプロ人材募集ではマッチするのではないかという提案もいただき、しっかり要件を明確にして募集するという考えでやっていきました。― 募集掲載後、応募候補者との面談や選定時に考えられていた工夫があれば教えてください。新規事業での活用を開始した後、電気工事の施工管理業務でも募集を始めたのですが、その際には面談後に作図テストへのご協力もお願いすることがあります。背景としては、プロフィールや面談の際の印象ではマッチしているように感じたものの、いざ協働してみたらあまりマッチしていなかったという体験もあり、どうしても契約前に実態以上に大袈裟にアピールされてしまったり、イメージするスキルレベルの共通認識が合いづらかったりするということを可能な限り避ける方法として考えての試みです。電気工事の募集を出したときも、一番最初に面談させてもらった方の経歴やアピールが出来すぎているくらいの感覚があって少し怖くなってしまったので、面談後に社内に持ち帰って検討した際、「ニッチな分野だし断定的に不採用にはしたくないけど、ミスマッチも困る」という話になり、簡単な宿題的なものをお願いしてみようかということで始めてみました。あまりにも具体的な提案までもらいすぎてしまったり、想定業務と関わりのないことまで確認するのはよくないと思うのですが、しっかりと必要性が伝わるように募集時に記載したり面談時に承諾を取ることができれば、ミスマッチを防ぎやすくなるひとつの工夫にはなるのかなと思っています。採用の無駄や見えづらいコストを見逃さず、業務委託の成功体験を社内に蓄積していくことの大切さ― 今後も活用を続ける場合、悩みになりそうな点があれば教えてください。新規事業の方で活用を開始してからメリットは明確に感じられているので、グループの電気工事系での活用もさらに進めていきたいと思っているのですが、こうしたプロ人材活用を組織全体に広げていくにあたっての悩みは少しあります。特にスキイキのように様々な分野・職種のプロ人材とネットワーク化しているサービスであれば、だいたいの部署・担当セクションでメリットは実感しやすいはずだと思うものの、社員・正規雇用というのが当たり前になっている従業員たちの感覚からすると、その良さを事前にはイメージしづらいこともあるというのを痛感しています。実際、先ほどの通り自分自身も不安が全く無かったわけではないので気持ちは少しわかります。伝え方の工夫はいろいろするのですが、結局、特に喫緊で人材確保が必要なものは、私が採用担当としてスキイキCSに相談しながらある程度進めていって、面談などのフェーズにいってから引き合わせるという形にするしかないことも今はまだ多いです。ある意味なかば強引に、言葉で理解してもらうよりも、実際に体感してもらうのが速いという感じですね(笑)。でも、それで進めてみて大きく違ったということもこれまでないですし、スキイキの料金プランを考えても募集を出すたびに掲載費用のようなものがかかるわけではなく、いくら載せても何人契約しても手数料(サービス料金)も変わらず毎月定額なので、使い方として間違っているわけではないんじゃないかとも思っています。普通の中途採用でコストを考えたらそんなラフにやることは難しいですし、業務委託であれば最悪、ミスマッチがあれば双方納得の上、長期で契約しないという選択肢をとることもできるので、こういう勢いも今はまだ必要なのかなということを感じています。最近では、「心配していたほどの問題はなく思っていた以上に良いかも」とか「他でなんか活用できないか」という風に良さを実感してくれる人も少しずつ出てきているので、もう少し経ったらグループ全体で、さらには社会全体でもこの気運がさらに高まってくれるように期待しています。― スキイキならではの魅力として実感していただけているポイントはありますでしょうか。初めての業務委託採用・活用のため、他のサービスと厳密な比較ができているわけではないのですが、改めて強調できるのは、城田さんのようなサポートについてもらえるという方法を選んだほうが絶対に良いということですね(笑)。人材を採用するということ自体はどこの企業でもやるので、原稿作成にしてもスクリーニングにしても、面接の仕方にしても何にしても必要以上にコストをかけず自分たちで完結させて、少しでも節約しようという考えで行なっているケースも多いと思うのですが、それは結局コストダウンになっていないことが多いとスキイキの利用を通して再確認しました。自分たちの手間は相当に増えているのに成果には繋がりにくいということは何度もみなさん経験していると思いますし、プロ人材の業務委託採用となると相手に対して持つべき視点や考慮すべきことも全く同じとは限らないので、中途半端に内製的に済ませるより相談できる相手にした方がいいです。導入後にアカウント発行され、あとは自由に使ってくださいという感じで結果的にほぼ丸投げ、あっても不明点を聞いたら答えてくれるだけというようサービスも多い印象ではあるのですが、スキイキだと文字通り「カスタマーサクセス」として密接に併走してくれて、踏み込み方が他とは異なるというのが明確な違いじゃないでしょうか。さらに掘り下げて言えば、「採用の目的・背景や該当事業の背景情報などを粗めに共有するだけでもコンサル的に募集原稿や選定の工夫を提供してくれる」というところだと思います。素人が闇雲に要件設計まで悩まなくても、最低限、自社のことだけでも整理して相談すれば動き始められるということですね。― 最後に、プロ人材活用に初めて取り組んでみての視点から、これから検討される企業へのアドバイスがあればぜひお願いします!最もわかりやすいのはとにかくコスト面ですね。端的に言ってしまえば「金額の計算をちゃんとしてみれば踏み出しやすさがわかるはず」とはお伝えしたいです。業務成果やその基準について事前に考えるのは簡単ではありませんが、コストについてはある程度は比較などもできる部分だと思います。一般的な採用手数料と比べるだけでも違いは明らかですし、それ以外にも見えないコストはたくさんあるはずです。マッチしたプロ人材の方と協働した後であれば業務成果的な効果もわかるのですが、事前にその人のおかげで事業がどれだけ進むかというのを数値化するのは難しいので、そこを詰めて検討するような考えではなくてもいいかもしれません。でも、プロが社内の業務に携わってくれて普通の何倍ものスピードで仕事が動いていくというのは、目に見えづらくても圧倒的なコストの差につながるので、ぜひそういう視点で期待効果をイメージしてみるのもよいのではないかと思います。