株式会社彩ユニオン様は、1933年(昭和8年)に和装マネキン人形の製造・販売・リースを主たる事業として京都で創業され、時代の変化に対応しながら、現在ではさまざまな商業空間・イベント空間のデザイン・施工を手掛けるトータル空間プロデュース企業へと発展してきた老舗企業様です。今回、さらなるビジネス展開を図るにあたり、マイナビ顧問を活用することで自社にない知見やノウハウを取り入れ、新たなビジネスチャンスの創出に取り組んでいます。代表取締役を務める澤井和興会長に、顧問導入の経緯と効果について話を伺いました。顧客へ高付加価値ソリューションを提供し続けるため、さらなる従業員のスキル及びモチベーションアップが課題― まずは彩ユニオンの歴史・事業について教えてください。当社は昭和8年(1933年)に京都で創業し、京都の着物販売のニーズに応えるかたちで、高品質な和装マネキンの製造・販売・レンタルを基盤に事業を拡大してきました。さらに明治から大正へと時代が進んで洋装文化が普及するのに伴い、洋装マネキンの輸入・販売・レンタルにも対応、新たな時代のニーズをつかんで発展してきたのです。そうしたマネキン関連事業を原点に、現在は家具や什器、ハンガーなどの小物も含め、店頭販売に必要なすべてのアイテムのコーディネートのほか、店舗をはじめとした商業空間、展示会・見本市、各種スポーツイベントなどのデザイン・施工を手掛けるトータル空間プロデュース企業へと発展を遂げてきました。このような変化に応じてお客様もアパレル業界以外に拡大し、「モノ」と「コト」双方のニーズに対応できる総合力を磨いてきました。さらにこうした事業の一環として、当社ではSDGsという言葉が一般的になる以前から、地球環境に優しいモノづくりや改善活動に積極的に取り組んできました。一例を挙げますと、従来のFRP(※)マネキンから、環境に優しい紙製マネキンへの切り替えを進めているほか、サスティナブルな木材の使用、揮発性有機化合物の少ない塗装の導入、再利用可能なポップの採用、植樹活動など、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを、本業とリンクさせながら推進しています。(※ Fiber Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック))― なぜ、マイナビ顧問を活用しようと思われたのですか?我々にはない知見やノウハウ、人脈を取り入れ、営業力の強化を図りたかったからです。弊社は常に変化に対応してきました。時代の変化とともに、お客様も百貨店から、総合スーパーや大型ショッピングモールといった新たな業態の小売店に拡大、近年ではSPA(製造小売業)が加わり多様化が一気に進みました。さらに、スポーツメーカーやクラブ・球団などスポーツ産業からのニーズも拡大しており、当社にも、新たな顧客との接点の拡大と、それに伴う新たな営業展開が求められるようになりました。ただ、我々が保有するノウハウや人材ではそうしたステージに十分に対応できていなかった部分がありましたので、必要な知見・ノウハウを持つ新たなキーパーソンが必要だとの判断に至りました。そこで、以前より採用のご支援を頂いていたマイナビさんに相談させていただいたところ、高度な知見や人脈を持つプロフェッショナル顧問に特化した人材サービス「マイナビ顧問」の存在を知り、スポーツ業界に精通した顧問の方をご紹介いただいたのです。顧問の豊富なキャリアと人脈で、営業力強化と社員教育の変革を実現― 顧問を決めた理由はどんな点にあったのでしょうか?スポーツメーカーで長きにわたってキャリアを積み重ね、さまざまな分野の企業の上層部と強いつながりを持っている点です。さらに各種メディアとも太いパイプを持っている方です。そうした点において、まさに我々に足りないノウハウと人脈を持ち、彩ユニオンに新たな展開をもたらせてくれるキーパーソンと判断させていただいたのです。また、近年はさまざまなスポーツイベントの会場設営やポップアップショップのプロデュース案件も増えており、そうした領域のノウハウと人脈を豊富にお持ちになっている点にも特に強い魅力を感じました。我々も長年にわたって百貨店や量販店などの案件でノウハウを蓄積しており、スポーツ分野などの新たな領域でも十分に勝負ができる自信があります。そうした新たな挑戦の扉を開いてくれるのが現在の顧問だと感じ、お願いすることにしました。― 顧問による具体的な支援内容について教えてください。主に新たな市場・顧客開拓に向けた営業支援を行ってもらっています。顧問の人脈から新たなお客様をご紹介いただいたり、スポーツ業界などの市場特性や商習慣を踏まえた実践的な営業アドバイスなどをいだいたりしています。これと並行して社員教育にも携わっていただいています。彩ユニオンは長い歴史の中で人材育成ノウハウを培ってきましたが、従来の方法論や考え方に固執してしまうと視野が狭くなり、結果的に事業も停滞してしまう恐れがありました。そこで、人材教育の面でも新たな息吹を吹き込んでもらいたいと考え、顧問の経験にもとづいた新たなトレーニング、礼儀作法や立ち居振る舞いなど基本的なマナー教育など、新しい視点を取り入れた人材育成を行ってもらっています。― 顧問導入によってどのような効果があったとお考えですか。まず、社員の考え方・行動に変化があり、彩ユニオン全体で行動規範や考え方の新たな基盤がしっかりと固まりつつあると感じています。同時に、営業戦略においても、顧問の知見や経験則にもとづいたアドバイスを通じ、これまで接点のなかった分野や、お付き合いのなかったお客様へのアプローチを社員が行えるようになったことも大きな変化の一つです。「意識変化」という点でも、お客様先に赴く際に、事前準備を徹底したり、少しでも有用な情報をお客様に提供しようとする姿勢が以前にも増して強くなったりしました。お客様の課題にしっかりと寄り添い、一緒に理想的な解決策や方策を考え、伴走意識をもってそれを実施していくというコンサルティング意識がより一層強くなり、彩ユニオンの新たな価値として認められるようになっています。積極的に新しい価値観を取り入れる企業文化が根付き、新たな成長戦略につながる― 顧問の支援により、彩ユニオンの新たな事業戦略に大きな変化があったということですね。その通りです。顧問の支援によって、スポーツ分野に対する提案機会が増加するなど新たな営業展開が生まれたほか、冒頭に述べたサスティナブルな取り組みに関しても、顧問の人脈を通じて他企業に発信してもらうなど、彩ユニオンという会社のブランドイメージ向上にも大きく貢献していただいています。何よりも、「積極的に新しい価値観を取り入れていこう」という意識が以前にも増して強くなったことが大きいと感じています。商習慣や市場、消費者の価値観が目まぐるしく変化するこの時代、企業が勝ち抜いていくためには、従来の固定観念に縛られず、新しい価値観を積極的に取り入れていくことが重要です。そのため、「彩ユニオンの常識は、必ずしも世間の常識ではない」という前提に立ち、顧問の多様な視点から組織文化を見直し、改善に向けたアドバイスを行ってもらっています。こうした点も大きな変化の一つだと感じています。― 顧問活用を行ったことで彩ユニオンの可能性が大きく広がろうとしています。それを踏まえ、今後の展望についてお聞かせください。彩ユニオンは、百貨店をはじめしっかりとした顧客基盤に支えられ、100年近い歴史を生き抜いてきました。コロナ禍により一時的に低調だった業績も、コロナ禍の落ち着きに伴って回復し、そこに顧問が加わってくださったことで新たな成長戦略を立てられるようになりました。営業スタイルも、従来の対面オンリーの商談から、状況に応じてリモートとリアル商談を使い分けるようになり、より柔軟かつスピーディーな対応が可能となったほか、仕事の進め方も、従来の個人主導による動き方から、チームプレーへとシフトし、負荷を分散できるようになってきました。また、働き方もフレックス制度の導入や自己管理の比率が増えるなどの改革が進んでいます。このような大きな変化の中、顧問の力をお借りし、我々が持っていない知見やノウハウを積極的に取り入れながら、彩ユニオンが時代の変化の中で一層輝ける企業となるよう変革を進めていきたいと思っています。いわばこれからが本当の挑戦のとき。そんな大いなる挑戦心を抱きながら、彩ユニオンの未来を描いていきたいですね。