今回は、「コンテンツマーケティング」について取り上げます。ベンチャー企業や新規事業を進める部門など、「スモール組織だけど、もっとスピーディーに事業拡大したい」と考えている事業担当者の方は多いのではないでしょうか。本記事では、10月18日開催のウェビナー『スモール組織から事業をグロースさせるためのBtoBコンテンツマーケティング』の内容をもとに、少数精鋭で新規事業に取り組む担当者に向けて、事業成長のカギや、コンテンツマーケティングで押さえておくべきポイントをご紹介します。ぜひ、事例なども参考にしながら、ご自身の組織にも当てはめて理解を深めていただければと思います。投影資料(全編)のダウンロードリンクも用意しましたので、ぜひあわせてご活用ください。登壇者紹介坂居 広行パラレルマーケター外資系MarTechベンダー、日系大手ERPベンダーでField Marketing Manager・Event Marketing Managerを経験しフリーランスマーケターに転身。現在はawoo Japanのコンテンツマーケティングマネージャーを担いながら、パラレルマーケターとして複数の企業でのBtoBマーケティングを支援。こんな方におすすめの内容です今回のウェビナーでは、パラレルワーカーとして複数社のBtoBマーケティングの支援を行ってきたコンテンツマーケターの坂居さんをお招きし、コンテンツマーケティングでどのようにクライアント企業をグロースさせてきたかを解説していただきました。特に、チームメンバーが少ない新規事業や、スタートアップにおける専任マーケターが不在であるケースでも、スピーディに成果に繋げていきたい企業担当者の方にとって、実務に取り入れやすいヒントが詰まった内容です。様々な企業の支援をしてきたから見えてきた共通点や、企業内の人間だけでは気付きにくい点など、第三者視点で客観的に見てきたからこそわかるポイントを解説しています。スタートアップが事業をグロースするためのカギは?まずは、「なぜスタートアップ企業やスモール組織の企業で、コンテンツマーケティングが必要なのか?」ということについて順を追って解説します。これまで様々な企業の支援をしてきた中で、やはり初期の段階から人的リソースやコストを多くかけられる企業は少なく、少人数でやっているようなスタートアップ企業が多いと感じました。事業を始めたばかりの企業には十分な予算や人材、スペースもない場合が多く、少数精鋭で切磋琢磨しているのが現状だと思います。しかし、これから会社規模を大きくしていってIPOを目指すならば、例えば直近の最低5年間は継続した売上を確保し、安定したキャッシュフローを作らなければなりません。そこで、スタートアップ企業においての強い組織のあり方としては、 少人数で継続した結果=売上を出し続けられる組織かどうかという点が大きく考えられます。それでは、限られた予算や人数の中で結果を出し続けるためにはどのようにすれば良いのかを2点ご紹介します。マルチタスク人材が必要スタートアップ時は、どうしてもひとりの人材にいくつかの担当をこなしてもらう必要があります。その人材が1つの特化したスキルだけを持っている場合では、なかなか事業の可能性が広がらないというリスクがあるでしょう。例えばマーケティング担当者でも、財務帳票を見ることができる、あるいは営業のプロセスを理解してマーケティングをやりながら商談もできるなど、複数のスキルセットを持っていることが、スタートアップ企業においては非常に重要です。長期的な資産を積み重ねる少人数で継続した結果を出し続けるというゴールに対しては、自転車操業のように、年度ごとの売上にフォーカスするのはもちろん大事です。しかし、企業を大きくしてIPOを目指すのであれば、継続した売上も、人的資産も、マーケティング資産も積み重ねるべきです。(※ここで言う「マーケティング資産」とは、直近の売上を確保しながら、来期再来期までを見越したマーケティング資産を積み重ねること、主にリードやブランディングするための資産などを指します。)強い組織にはこの2つのポイントが必要ですが、すぐに解決できる企業は多くはありません。非常に大きな投資などを受ける必要があるからです。そこで、マルチタスク人材を迎え入れる一つの手段として、フリーランスやパラレルワーカー(副業人材)の活用が効果的です。マーケティング支援の観点から言えば、短期的な売上を作るためにマーケティング施策ベースで物事を考えがち。例えば、新規ユーザーを増やすために広告投資やメルマガ配信を行うなど、直近の施策に目を取られることが多かったりします。そうなると、長期的な資産を積み重ねる動きが弱くなります。戦略的なマーケティングという意味で、しっかりと全体を企画できるブレーンとなる人材を入れて、その後に施策は個別で考えると良いでしょう。このように、マーケティングも、最終的な売上も、人材採用も、経営の最終的なアウトブットに非常に大きな影響を及ぼしてくるので、目の前の課題を乗り越えながらも戦略的なところを描くことが重要になってきます。コンテンツマーケティングとは何か?ここからはBtoBマーケティングについて掘り下げます。よく「マーケティング活動をやっていきたい」「今やってるものを、もっと最適化したい」という課題は多く聞きますが、一口に「BtoBマーケティング」と言っても、やるべきことは非常にたくさんあります。図からもわかるように、大分類だけでも、「現状分析」「目標設定」「戦略策定」「施策の実行と結果の分析」「営業活動の最適化」と5つのサイクルがあります。各サイクルの中でやるべきことは、細分化されるので、経営者や財務担当、営業など、他の業務を推進しながら片手間で施策を行うのは困難です。特に、この中でリソースがかかるのが「④施策の実行と結果の分析」のところで、コンテンツマーケティングの領域です。戦略設計をした後に、どのように手を動かすかを検討する部分に時間とお金が必要なので、効率化がポイントになります。この5つの全体のサイクルをしっかりと回せるようになるのが、BtoBマーケティングの基本と言えるでしょう。コンテンツマーケティングは、実は昔からあるコンセプトですが、近年特にBtoBマーケティングにおいて重要視をされています。ビル・ゲイツ氏の「Content is King」という言葉が非常に有名ですが、 BtoCでも、BtoBでも、コンテンツがないとマーケティングが成り立ちません。コンテンツを企画できるアイデアや運営できるリソースがない場合、新規獲得や効率的なマーケティングはできないので、極端に言えば、戦略設計ができ、 かつ企業に十分なコンテンツがあれば、BtoBマーケティングは非常によく回るでしょう。 コンテンツマーケティングが最重要視されている背景には、コロナ禍を通して、BtoBの営業モデルが激変したことがあります。セミナーなどは「リアルイベント」が当たり前で、人と人同士で直接会話ができ、その人のキャラクターが好きで、商品購入や契約に繋がるモデルがありました。しかし、ほとんどがオンライン上の接点となった今、既存顧客と見込み顧客との効率的な接点の構築を、コンテンツを通して行うことがカギになってきているのです。打ち手としては、企業の長期的な資産となるコンテンツをいかに積み重ね、そのコンテンツを通して見込み顧客ないし既存顧客を魅了し続けることです。そうすることで、BtoBマーケティングのサイクルが回るようになると言えます。コンテンツのネタはどう考える?「コンテンツマーケティング」と聞くと、ブログや動画、ダウンロード資料、セミナーイベントのような施策をイメージされる方が多いと思います。ですが、おそらく全てを経験したという方は少ないのではないでしょうか。1つ1つのコンテンツは想像がつきますが、どこから着手すればいいかという部分は結構ハードルが高いと思います。ブログをいきなり書いたり、動画を撮影したり、セミナーで登壇したりするのが得意な方は、最初からいるわけではありません。自分自身もそうでしたが、何十回も重ねて行うことで今に至るので、 一定のクオリティでコンテンツマーケティングを実行するのはハードルが高いと感じます。ただ、あまり深く考え込まずに、まずは日々のビジネスの中で視点を変えれば、活用できるコンテンツアイデアは非常にたくさんあります。 例えば、セミナーを視聴した場合、感想をブログに書くことも、コメントを動画で撮ってYouTubeに投稿することも、既存顧客との会話の中で話してコメントをもらうなどといったことも、コンテンツになり得るのです。なので、最初はハードルが高いかもしれませんが、日々の出来事を上手く活用し、自分のできるところからスモールスタートすることによって、徐々にコンテンツを量産する設計に繋がってくるでしょう。今回は、新規事業担当者・スタートアップ企業の事業担当者向けに、スモール組織でもスピード感を持って事業成長をするポイントや、コンテンツマーケティングで押さえておきたい部分を解説しました。ポイントにもあったように、チーム体制に不安があったりマルチタスク人材をアサインしたいと思った方、コンテンツマーケティングのノウハウを実務の中で身につけ組織に落とし込みたいと考えた方は、スキルを持った外部人材に頼るのも吉です。坂居さんのような人材が入ってくれたらと想像しながら、自社の課題を改めて見直してみてはいかがでしょうか。外部人材活用についてもっと知りたい方は、近日開催のウェビナーをチェックしてみてくださいね。