今回は、社会の変化に伴いますます重要度を増す「攻め」の外部人材活用について取り上げます。社会やビジネスにおけるあらゆる環境が目まぐるしく変化し、将来の予測が困難である現代は、【Volatility(変動性)/Uncertainty(不確実性)/Complexity(複雑性)/Ambiguity(曖昧性)】という4つのキーワードの頭文字をとった「VUCA(ブーカ)」時代と呼ばれています。このVUCA時代において、企業の経営戦略には柔軟性が求められ、求められる人材スキルも常に変化し続けています。新卒・中途採用の社員を、戦力となるように社内で育成していくことも重要ですが、必ずしも事業環境の変化に対応しながら活躍していけるよう人材育成できるとは限りません。特にVUCA時代では、「人材自前主義」と呼ばれる旧来の考え方は、変化に対応する柔軟性に欠けるため経営リスクが高いともされています。企業の戦略実現に向け、プロ人材活用も「守り」から「攻め」へVUCA時代と呼ばれる今こそ脚光を浴びているのが外部のプロ人材の業務委託活用。従来は、業務委託活用と言えば派遣社員や下請事業者に対して、正社員の業務と切り分けて外注するようなスタイルが一般的でした。つまり、「雇用のバッファー」「コスト低減」というように、企業の戦略の中でも、通常業務を補うような「守り」の手段として活用されてきたのです。しかし、今後求められるのは「補う」ではなく、「新たな価値を生む」という目的での「攻め」の人材活用。VUCA時代は、先行きが不透明で前例のないことも多々あるため、過去の事例だけに頼って企業が生き抜くのは難しい時代です。企業のトップはもちろん、社員が答えを持っているとも限らないので、オープンイノベーションを起こしたり、新たなビジネスモデルを生み出したりするためには、社外の人との繋がりを通じて、素早く答えを模索していくことが重要になってきます。企業が戦略を実現していく上でには欠かせない専門的な知見や幅広い知識の獲得は、外部のプロ人材活用および連携がカギを握ります。VUCA時代に新たな価値を生む人材を育てるという意味でも、プロ人材を活用し、知識やノウハウを増やしていくことが重要なのです。プロ人材活用を成功に導く「コラボレーション型」組織のメリットでは、プロ人材を業務委託活用する上で押さえておくべきポイントは何かと言えば、まずは何よりも「組織」面です。旧来から多くの日本企業がとっていたような「トップダウン型」の組織ではなく、社内外問わず様々な人を巻き込む「コラボレーション型」の組織形態に整えることが重要になってきます。トップダウン型では、人材育成の方針次第では専門性の高い正社員を育成しやすく、社内にノウハウが蓄積されやすいというメリットが得られる可能性もありますが、先述の通り、VUCA時代では過去の事例やノウハウが必ずしもイノベーションに繋がる答えになるとは限らないので、このメリットが活かしづらくなってきています。また、意思決定に時間がかかるというデメリットが、外部環境の変化に対して迅速な対応が求められる時代では大きな痛手となってしまいがちです。一方、コラボレーション型では、必要なスキルを持った即戦力のプロを臨機応変に集めやすくなりますし、形態を問わず様々な人材の知見を共有し合いながら意思決定を行っていくという考え方のため、スピード感を持ってプロジェクトを進行できるというメリットがあります。プロ人材側の視点としても、企業や組織の枠に囚われることなく、プロジェクト内で自身の役割を果たすことに専念できる関わり方です。プロ人材活用にあたり、企業側が押さえておくべき2つのポイント!コラボレーション型のメリットについて触れましたが、社内外問わず様々なメンバーが参画するため、プロ人材活用の際には企業側がしっかり以下の点を押さえ、プロジェクトを推進する必要があります。外部のプロ人材に求めること:要件定義内部の雇用人材に求めること:プロジェクトマネジメント1つ目は、プロ人材に求める業務範囲や期待する成果などの要件を明確に決めておくことです。役割分担を明確化することで、プロジェクト内のメンバーは自らの責任と権限を理解し、スムーズに業務を進めることができます。また、プロ人材活用の効果の検証や評価もしやすくなる上、そこで得た知見を次に活かすことも可能です。2つ目は、内部社員には、プロジェクトの責任者として、品質・納期・コスト目標を達成するためのプロジェクトマネジメントが少なからず求められるということです。異なる役割の人材が集まりプロジェクトを成功に導くためには、問題の本質を見極めて解決までのアクションを実行できる問題解決能力や、プロジェクト内のメンバー間で円滑な意思疎通を図るコミュニケーションの配慮も必要になりますので、そのノウハウや人材形態への理解は最低限、社内で共通認識をつくれておくと良いでしょう。また、任せる業務への関心やノウハウが充分かも重要です。実際に業務を推進する中で、学ぶ意欲・貢献する意欲があるのかという意思を知るためにも、その業務に関する具体的な話ができるかという視点を持っておきましょう。いかがでしたか?このような「VUCA時代」において、プロ人材の活用がますます普及していくことが予想される中、有効な活用法をいち早く取り入れていくためには、社内環境の整備や見直しも欠かせないということが見えてきたかと思います。私たち『スキイキ』のようなマッチングプラットフォームを活用すれば、プロ人材と関係性を築きながらコラボレーションして業務を進める土台づくりが可能です。これからのための「攻め」のプロ人材活用に興味を持たれた方はぜひご相談ください。