今回は “外部人材との取引における目標設定” について取り上げます。外部人材の貢献度評価・報酬基準は基本的に、タスク量や働く場所などの業務プロセスではなく、期待した成果に対するパフォーマンスが指標となります。しかし、それらの指標を実際にどのように設定すべきか悩んでいる企業の方も多いかと思われます。今回の記事では、外部人材のスキルやノウハウを引き出し、成果を最大化するための目標設定についてご紹介すると同時に、その意義や設定のコツについても整理していきます!まずは「KGI」と「KPI」をセットに、方針がぶれないようにするビジネスにおいて目標設定を行う際に、「KGI/KPI」という言葉がよく使われており、単語だけでも聞いたことがあるという方も多いかもしれません。外部人材の活用においても、目標を設定すること、その人材のスキルやノウハウを引き出したり適切な評価を行うために非常に重要です。まずは、改めてこの「KGI/KPI」について理解を深めておきましょう。まず、「KGI」とは「Key Goal Indicator」の略で、重要目標達成指標と訳されます。つまり、最終的な目標の達成度合いを測る指標・基準のことです。これはビジネスが成功しているかどうかを判断する数値とも言うことができ、企業全体ではもちろん、事業部やプロジェクトごとに認識を合わせて設定しておくことで進むべき方向性が見えやすくなります。一方、「KPI」は「Key Performance Indicator」の略で、重要業績評価指標と訳されますが、目標設定したゴール、すなわちKGIまでに必要なプロセスにおける達成度合いを測る指標・基準のことです。これによって、ゴールに向かうには何をいつまでにどう達成すればいいのかが整理され、社内外の関係者間で連携しながら業務遂行しやすくなります。まとめると、「KGI」は最終的なゴール設定の数値、「KPI」はゴール(KGI)達成に向けたプロセスごとの目標設定としておく数値ということです。どちらかだけ設定すればいいわけではなく、「KGI/KPI」の両方を設定することがポイントとなります。これは、「KPI」達成を目指すことが「KGI」達成にもつながっているという関係性になるため、片方だけでは最終目標がわからなくなってしまったり、どうやって最終目標を達成すべきかがが不明瞭になり方針がぶれてしまったりするからです。ぜひご自身の組織やチーム内で「KGI/KPI」の両方が設定されているか見直してみてください。ビジネスを成功に導く「KGI/KPI」設定の3つのメリットこの「KGI/KPI」は、ビジネスにおける数値的な目標を示すものとして多くの人に活用されていますが、具体的にどのようなメリットをもたらしてくれるのでしょうか。【メリット1】目標達成度を可視化できる企業や組織において、目標に対する結果を明確にすることは意思決定をするために重要です。目指すべき将来像を決める、あるいはプロジェクトや事業を継続するかどうかを決める場合にも、判断材料として大きな役割を果たします。また、目標達成度を数値として可視化することができれば、意思決定のスピードが向上すると考えられます。【メリット2】人事評価がしやすくなるプロジェクトや事業の目標達成度を数値で示せるのと同様に、チームメンバーそれぞれの達成具合も数値で示すことができれば、客観的な人事評価を行うことが可能です。これは社員はもちろん、外部人材を活用する場合にも有効です。外部人材の活用を検討する際に、報酬設定や評価基準が悩みの種になるという声もよくいただきますが、「KGI/KPI」を設定できていれば、外部人材の貢献度がより見えやすくなり評価も客観的に行えるでしょう。【メリット3】PDCAを効果的に回せる正しく「KPI」を設定しているとその先の最終ゴールである「KGI」までのプロセスが見える状態になるため、設定したKPIを達成していない場合、その原因を分析し問題解決の糸口を見つけることで、KPIの達成およびKGIの達成へと導くことにつながるのです。プロジェクトにおいては、社員と外部人材の両方が参画している場合はまずあらゆる共通認識を持つのに苦戦するケースもありますが、「KGI/KPI」が設定されていれば同じ方向を向きやすく、PDCAサイクルを回してより良い結果を出すための施策を連携しながら行いやすくなるでしょう。このように、「KGI/KPI」を設定することにより、意思決定や人材評価の材料にしたり、業務の改善がしやすくなり、ビジネスを成功に導きやすくなっていくのです。正しい目標設定のコツ!「SMART」の法則とは?では、実際に「KGI/KPI」を設定する際には何を押さえておくと良いのか。今回は、目標達成の実現可能性を高める優れた考え方とされている「SMART」の法則をもとに、目標設定のコツや留意点について見ていきます。この「SMART」の法則は、以下の頭文字をとったもので、達成までの精度が高い目標設定を行うための5つの観点です。これに沿って「KGI/KPI」を設定することにより、メンバーないしチーム全体のパフォーマンスが適切に向上しやすくなると言われています。例えば、外部人材を活用している場合には、以下のような観点を例に目標設定してみると良いでしょう。"Specific"各人員の役割を明確にして、それぞれがどの業務に責任を持つのかをハッキリさせる。そして、その役割ごとに具体的な目標を設定する。"Measurable"単に「新規事業を立ち上げる」や「売上を上げる」などの抽象的な表現ではなく、「売上高1億円の新規事業を立ち上げる」や「売上を前年比20%上げる」など、具体的な数値を用いる。"Achievable"最初から「どうせ無理だろう」と思われるような非現実的な目標ではなく、スキルやノウハウを駆使して「頑張れば実現できる」と思える目標を設定する。過去のデータや類似の事業における数値を参考にしながら、実現可能な範囲内で行う。"Relevant"結果的に「何のために目標を達成するのか」「目標を達成したら企業や個人にとってどんな成果があるのか」を意識して設定する。人員のモチベーション維持にも有効。"Time-bound"目標に「いつまでにやるか」の期限を設ける。それにより、人員は集中して業務に取り組める上、企業も事業計画を考案することができる。外部人材の貢献度を客観的に評価するのは難しい部分もありますが、この「SMART」の観点を意識することで、設定すべき指標が何か、定量的にどのくらいか、そしてその結果に対する分析や改善などのPDCAまでスムーズに行いやすくなるはずです。いかがでしたか?ビジネスを目標達成に向けて進めるためには適切な「KGI/KPI」設定が重要ですし、各チームメンバーの成果評価にもつながるので、外部人材を活用する上でも必要になるポイントになります。私たち『スキイキ』のようなマッチングプラットフォームを使って外部人材活用の準備を進める際にも、もしくは既に取り組んでいる場合でもその活用価値を高めるためにも、目標達成に近づくポイントととして参考にしてみてはいかがでしょうか。