今回は「新規事業開発における業務委託採用・活用」について取り上げます。ビジネスを取り巻く社会情勢は大きな変化を迎え、そのスピードもこれまで以上に増してきました。そのような中、企業経営にとって新規事業の立ち上げというのが重要なトピックのひとつになっています。営業やマーケティングをはじめ、いまやあらゆる職種・分野で業務委託人材を有効活用するケースが増えていますが、今回は、既存事業とは異なるスキルやノウハウ、マインドセットなどを要する新規事業の立ち上げに絡めて解説していきます。実は、副業・兼業やフリーランスの力が最も活きる可能性を秘めたテーマですので、特に経営者や役員、プロジェクトマネージャーの方はぜひ参考にしてください。【関連動画】スタートアップ×複業人材で臨む事業グロース戦略新規事業の立ち上げでは、スキルを有した人材確保がカギ?コロナ禍による人々のライフスタイルや社会構造の変化によって、今までのビジネス戦略の見直しを迫られ、新規事業やサービス機能開発の重要性はますます高まっています。では、実際どのような形態で企業はそのようなプロジェクトの立ち上げを行っているのでしょうか?企業規模や業種によって様々ですが、例えば新規事業部門がある大企業などでは、複数のメンバーが「ミッション型」(参入市場の検討、商品企画、マーケティング戦略立案など)、「タスク型」(エンジニアリングや制作・開発の進行など)の業務を手分けして行うパターンが多いでしょう。対して、特にそういった部門がない場合は、各チームからメンバーを集めて「プロジェクト型」で取り組み、その期間内でのアウトプットによって次のフェーズに進むか判断し、メンバーを増員していくパターンもあります。業務タイプの違いや考え方については下記の記事もご覧ください!外部人材のスキルを最大限に活かすマネジメントとは? Vol.1 - スキイキマガジン外部人材のスキルを最大限に活かすマネジメントとは? Vol.2 - スキイキマガジンしかし、このような流れでプロジェクトを進めていくと、社内リソースのみではスキルやノウハウが不足している、という壁にぶつかることも多いです。ある調査では、新規事業開発を専任または兼務している担当者のうち、新規事業開発で「成功している」と実感している回答は30%程度にとどまっていることが明らかになっています。特に、「担い手となる人材の確保」「知識・ノウハウ不足」「意思決定の遅さ」が上位を占め、人的確保に対する課題感が強く、これらを解決することが成功率を高めるカギになり得るという示唆があらわれています。知識やノウハウを補うためには、外部のコンサルティング会社や顧問派遣に委託するという選択肢がありますが、相応のコストやリソースがかかってしまいます。社内人材で必要充分な範囲との依頼の棲み分けが難しいこともありますし、体制の調整もひと苦労。意思決定をするまでに時間がかかるケースもしばしば。このような時に、専門スキルを持ったプロ人材への業務委託、つまり外部人材活用が大きな解決策となってくるのです。新規事業でこそ活きる、外部人材活用の3つのメリット!では、新規事業立ち上げにおいて外部人材を活用するメリットとは具体的に何か?今回は主要な3つの観点をピックアップします。【メリット1】経験豊富なスキルを持ったプロ人材に出会える実際に業務委託として新規事業の立ち上げに貢献できている人材というのは、各業界で豊富な経験を積んだプロフェッショナルが多い傾向にあります。これらの人材は、細かい作業指示や実務管理をせずとも状況やなすべきことの飲み込みが早く、高いアウトプットを期待できるのは言うまでもありません。また、新たな立ち上げにはスピード感も必要とされ、欠かせないスキルやノウハウとは何かが見えてから社内人材がそれを専門に学んでいくだけでは間に合いません。既存の知見・知識を、すでに充分な経験のあるプロ人材の力で補うことで、効率よく推進できるでしょう。また、そこからつながる人脈・ステークホルダーの拡大にも期待できるという点も見逃せません。【メリット2】一般的な外注より柔軟に活用しやすい新規事業開発においては、プロジェクトが進む過程で方向性を転換し、伴って業務内容にも変更が発生する場合もあります。その際、コンサルティング会社などの外部法人に依頼していると、業務範囲の変更や報連相に時間や労力もかかり、柔軟に動きづらくなるケースが多いのも事実。一方、外部人材を活用した場合には、「ミッション型」や「プロジェクト型」での担務形態をとることにより、状況に対し臨機応変に柔軟に対応することも可能です。例えば、「ミッション型」として、市場リサーチやコンサルティングを依頼する場合や、「プロジェクト型」として、事業全体の進行管理やプロモーションの企画・実行を依頼する場合などがあります。社内人材の異動はすぐにはできないことも多いため、適切な場所に柔軟に人材を配置できるというメリットもあるでしょう。【メリット3】人材確保のコストやリソースが効率的になる新規事業は既存事業と比較し、プロジェクトがどのくらいの期間に及ぶか、売上をどれほど具体的に想定できるかなどが明確でないため、プロジェクト予算の割り当てが多くなかったり調整しづらいというのはよくある話です。そのため、人員を確保するためのコストも抑えたいところ。業務委託であれば、社会保険などの費用負担もなく、成果や貢献にコミットしてもらいつつも業務範囲や稼働時間を限定的にすることで、通常固定費として考える人件費を抑えながら、優秀な人材を確保できるということが特長になります。マネージャーとしてプロ人材を活用しているユースケース実際に、新規事業立ち上げにおいて活躍する外部人材はどのように見つけたらよいのでしょうか?技術系だけにとどまらず、事業企画やマーケティング、クリエイティブ系、営業職、そのほかバックオフィスなど、ビジネス系フリーランスと呼ばれる文系職種も幅広く登録しているマッチングプラットフォームは、外部人材との接点を作りやすいため、まず最初に活用しやすい方法と言えるでしょう。ただ、外部人材活用のメリットは理解しつつも、企業の今後を左右すると言っても過言ではない新規事業のマネージャーに外部人材を起用する理由がピンとこない方もいらっしゃると思います。そこで、3つのポイントを見ていきましょう。新規事業のマネージャーに外部人材を起用すべき理由まず、1つめは、新規事業立ち上げを一通り経験しているので、チームを牽引しやすいという点です。新規事業立ち上げの際には同時に様々なタスクが発生しますし、想定外の事態も起こります。そのような場面で、プロ人材のマネージャーがチームの一員であれば、課題解決のアイデアを持っていたり、リスクを回避する方法を実践することができるでしょう。そのため、スムーズに新規事業立ち上げを行えるというメリットがあります。2つめは、客観的な視点からアイデアや意見を出せるので、事業の方向性を決めやすい点です。プロ人材は様々な業界や企業での経験や知識を持っているため、社内メンバーとは異なる視点を持ち、プロジェクト全体を俯瞰して見る力があります。そのため、新しいアイデアや最適な解を見つけられる可能性が高いと言えます。また、事業の方向性を決める際の壁打ち相手的な役割を担うこともできるでしょう。3つめは、実務も柔軟に対応できるので、スピード感のある事業推進が可能な点です。プロ人材はその分野で戦略策定から実務まで幅広い経験値があります。そのため、実務も効率的にこなすことが可能ですし、社内メンバーと柔軟に連携しながら協業していくことができます。新規事業立ち上げでは、そもそも実務を行う人手が不足しているケースも多いので、スピーディーに実務を推進できることも大きな利点と考えられます。このように外部人材をマネージャーポジションでチームに招くことで、事業拡大のスピードを早め、成果にも繋がりやすいチーム作りが可能となるのです。 事例紹介!メディア事業会社の新規事業でプロ人材を活用今回は、私たちマイナビのプラットフォーム『スキイキ』を利用し、実際に新規事業立ち上げにおけて外部人材を活用した事例をご紹介します。このケースは、「メディア事業会社の新規事業マネージャーとしてフルリモートのプロ人材を活用した」というもの。実際に新規事業立ち上げにあたって、以下のような課題を抱え、外部人材とのマッチングに至っています。【課題】 ✔︎ 規事業のサービスローンチを行いたいが、社内人材では不足。 ✔︎ 予算も限られている。【外部人材の起用目的】 ✔︎ マーケティング・広報全般のノウハウや人脈を補いたい【マッチングの決め手】 ✔︎ プロモーションの豊富な経験 ✔︎ マーケティング全般の知識 ✔︎ プロ人材の業務連携・遂行が十分可能な稼働時間を確保できる点 ✔︎ 予算調整が柔軟にできる点企業側にとっては新規事業特有の限られた予算の中で求めているスキルセットを満たした人材に出会え、想定していた業務内容や目的を達成できると判断できたためプロ人材の活用に繋がっています。一方、副業・フリーランス側にとっても培ってきた経験を本業以上に有効活用できるかもしれないという期待やキャリア形成観点でのメリットがあり、双方にとって唯一無二の価値あるマッチングを実現できる可能性があるのが外部人材活用の魅力です。成果に繋がる!外部人材とのマッチングのポイント実際のケースを見ると、新規事業のマネージャーとして外部人材を起用するイメージが掴めたかと思います。ここでは、実際に外部人材とマッチングする際に、人材募集し、今後の成果に結びつくかを見極めていくポイントもご紹介します。求める人材に出会うためには、要件の具体化や活用イメージの想定などの事前準備が必要になってきます。前提として押さえておきたいのは、外部人材が何でも対応してくれるというわけではないことです。つまり、「どのような業務内容を任せたいか」「求める成果は何か」などを明確にしなければ、外部人材を効果的に活用することには繋がらない可能性があるのです。そこで、以下の4点を押さえ、成果に繋がるマッチングを目指すことが重要だと言えます。何となく求める人材のイメージがついている担当者の方も、明文化することで、より事業の目的が明確になったり、外部人材との認識のすり合わせもしやすくなるので押さえておきましょう。業務内容とセットで目的の達成基準を設定社員と同じ時間の稼働が必須かを決める経験・スキル要件は、優先順位を決める人物要件は具体的に・理由も添えて検討する外部の業務委託人材に求める要件を明確にするための、事業推進・改善ワークブックも無料配布中なのでぜひチェックしてみてくださいね。いかがでしたか?今回は、新規事業の立ち上げにおける外部人材活用について、その可能性やメリット、実際のユースケースをご紹介しました。ぜひ、プロジェクト体制検討の際の選択肢として、マッチングプラットフォームの利用を検討してみてはいかがでしょうか。私たち『スキイキ』も、プロフェッショナルな力を求める企業とスキルを活かしたい副業・フリーランス人材とプロフェッショナルな力をつなぎ、社内人材と同じようにタッグを組んだ(=チームビルディング)先にある新たなビジネススタイルを支援し続けていきます。まずはご相談だけでもお受けしていますのでのぞいてみてもらえれば幸いです。