今回は、EC運営における人材活用について取り上げます。新規事業を立ち上げ、商品を販売する場合に、必ずと言っていいほどECサイトの運営業務が発生します。過去にEC運営に携わったことのない人が担当者になることも多いでしょう。そこで、本記事では、ECサイト立ち上げ〜運用までの具体的な業務内容を整理すると同時に、必要になるスキルを解説。また、運用にあたっての人材活用術もご紹介します。EC運営はスピードや正確性が求められるので、改めて業務プロセスを見直したり、EC運営チームでの人材活用の参考にしたりしてくださいね。EC運営体制のまとめ!企画〜運営まで7つの業務を整理まずは、ECの運営業務について流れで整理していきます。業務を大きく分けると、「フロントエンド業務」と呼ばれるマーケティング活動に関する業務と、「バックエンド業務」という受注してからお客様の手元に届くまでの一連の業務の2つがあります。フロントエンド業務は、主にはこの4つです。【1】商品企画【2】仕入れ・製造【3】ECサイト制作・運用【4】プロモーションECサイトの立ち上げ当初は、認知が低く、アクセス数も少ないため、プロモーションをしっかりと行い、アクセス数を集められるかが売上を伸ばしていけるかどうかのポイントになります。一方、バックエンド業務には、主にはこの3つの業務が含まれます。【5】受注処理【6】在庫管理・出荷・配送【7】アフターサービス注文規模が小さい初期段階では手作業でも回りますが、大きくなってくると同時に負担が増えてミスも発生しやすくなります。最終的には運営会社としての信用にも関わるため、軽視できない業務と言えるでしょう。ではそれぞれの業務について、もう少し深掘りしてみましょう。フロントエンド業務【1】商品企画商品企画は、ユーザーニーズのリサーチや、トレンド・季節を考慮したうえで、売れる商品を企画・検討します。いくらマーケティング活動を進めたとしても、顧客に刺さらない商品では売れないので、商品企画がフロント業務の中でも最も重要だと言えるでしょう。また、商品の原価率や利益率を計算し、具体的なビジネスプランを立て販売計画を作成することなども必要になってきます。【2】仕入れ・製造仕入れ・製造は、販売計画に基づき、商品の仕入れや製造を行う業務です。自社製造ではなくOEM提携を行なっている場合、その管轄業務も該当するでしょう。急に受注が増加した際に在庫がなくなってしまって起こる機会損失を防ぐため、複数の仕入れ先の確保や、迅速な発注ができる体制を整えておくことも業務のポイントのひとつです。【3】ECサイト制作・運用ECサイト制作・運用は、ターゲットユーザーにとって使いやすく、また効率的にニーズを捉え販売までつなげられるサイトにするためにデザインやコーディングの制作を管轄するほか、新商品の登録や新たな機能の追加を行います。自社ブランドの方針や戦略に合わせた設計でないといけないため、一度作って終わりではなく、継続的な更新が欠かせない業務です。【4】プロモーションプロモーションは、販売促進のために行う施策を検討・実行する業務ですが、意外と落とし穴になりがちな盲点として、新規顧客向けと既存顧客向けという2つの軸があります。前者は、まだ一度も購入したことのない潜在ターゲットに向けたプロモーション活動で、Web広告企画・配信、SEO対策、SNSの活用などを駆使して、ブランドおよび商材のことを認知してもらいながら集客・販売するものです。こちらは、まだECマーケティングに馴染みがない方の場合でもイメージしやすい部分ではないでしょうか。後者は、すでに一回以上購入してもらったことのある顧客に向けたプロモーション活動(CRM)です。売上・利益を最適化していくためにはリピート購入が欠かせません。1人当たり1回限りの購入では、新規顧客向けのプロモーションコストがかさみ赤字になってしまいやすいためです。具体的には、配送の際の同梱物の企画・制作、メルマガ、公式LINE、キャンペーンなどの継続的な施策が含まれてきます。バックエンド業務【5】受注処理受注処理は、お客様が商品を購入した後、最初に発生するバックエンド業務です。注文状況をお知らせするメールの送信、在庫の引き当て作業、出荷指示などが挙げられますが、お客様とのやり取りが発生する業務のため、ミスに気をつける必要があります。【6】在庫管理・出荷・配送在庫管理・出荷・配送は、販売予測に基づき在庫数を管理し、受注処理後にピッキング作業、商品梱包、配送業者への引き渡しを行います。在庫管理は、売上や利益に直結するので過剰在庫や品切れが発生しないように調整が必要です。また、他社と差が生まれやすい部分として、梱包や配送があります。傷がつかないように梱包されているか、一言メッセージが添えられているか、扱う商品によって梱包のサイズを変えられるかなど、コスト面以外にも細かい部分を詰めることがポイントになります。なお、こうした領域を「フルフィルメント」とも呼び、外部の管理・配送代行倉庫と提携して行う場合もあります。【7】アフターサービスアフターサービスは、リピーターの獲得に欠かせない業務です。カスタマーサクセス、カスタマーサポートというような呼称で部門化されていることもあります。主にはクレームや問い合わせへの対応などが含まれます。今ではチャットボット型サービスなどを活用して効率化するケースも少なくありませんが、それでも人的な体制が完全にゼロにはなりづらいでしょう。EC運営で差がつく4つの必須スキルとは?ここからは、これまで見てきたEC運営で特に必要になってくる4つのスキルについて解説します。自社のリソースでどれくらいのスキルを持ち合わせられているか振り返ってみてください。WebマーケティングスキルECの運用において特に重要なスキルが、Webマーケティングのスキルです。競合も多い中で、いかに自社サイトにアクセスしてもらうか、いかに購入に繋げるか、いかにリピートに繋げるかが売上アップに大きく関わってきます。方針・課題に応じて様々な戦術を練り、具体施策を検討・実行していくため、多岐にわたる知識やスキルが必要になります。自社内だけで行おうとしても、知見が足りず、そもそもの企画立案がうまく行かないケースもあるため、外部のノウハウを入れることも検討する必要があります。EC運用で外部の専門スキルが有効な理由についてはこの後もご紹介しますが、自社が求めるスキルを持った人材と出会う手段としてプロ人材の業務委託活用という方法があります。無料配布中のプロ人材活用ガイド&事例集にてその基本や各種事例をまとめていますので、合わせてチェックしてみてくださいね。商品企画スキル売上に繋がる「売れる商品」「良い商品」を開発するための企画力が求められます。市場やトレンドを調査し、ターゲット顧客が求める商品の開発に落とし込むスキルが必要です。また、商品企画の中には、販売計画、予算管理も含まれており、商品の販売価格と原価のバランスを取っていくなど、経験値が必要な領域も多いでしょう。商品企画を強化するために外部のプロ人材を活用した事例もございますので、ぜひ下記にてご覧ください。売れる商品企画のヒントは、業務委託活用にあり!? スキイキでの成功事例も解説 - スキイキマガジンクリエイティブスキルECサイトのデザイン、商品撮影、画像加工やバナー制作など、ECサイト制作・運営にあたってクリエイティブの作成スキルが求められます。購入につながるかどうかは、商品の魅力が伝わるか、ECサイトが使いやすいかが大きく影響します。そういった視点をクリエイティブに落とし込める能力が必要になってきます。カスタマーサポートスキルアフターサービスがリピート購入につながるかを左右することからもわかるように、顧客対応のスキルも大切です。クレームや問い合わせの対応内容次第で、他社と大きく差がつくため、お客様の視点に立って考え、振る舞うことができるかがポイントになります。このような4つのスキルを全て網羅するのは困難ですし、EC運営チームのメンバー全員でもカバーしきれないことも多くあります。次で、EC運営を成功に導くための方法をご紹介します。EC運営が上手くいく!成果につながる人材活用のコツとは?ここからは、EC運営における人材活用について触れていきます。EC運営のカギは “運用・改善” !ここまで読んでいただいた方にはわかると思いますが、ECは継続的に運用改善していくことが重要です。近年、顧客ニーズの変化は激しく、ECに関わるシステム・ツールや、プロモーション手段も流動性が高くなってきています。常に最新の情報をキャッチアップしながら、自社のECサイトやプロモーション、アフターサービスなどを改善していく必要があります。常に「顧客ニーズはどこにあるのか?」「競合他社と比較した自社の強みは何か?」を考え続けることがEC運営で成果を出すためのポイントなのです。成果への近道は、業務の洗い出し×人材確保成果を出すポイントを押さえたいと思っていても、社内のリソースが足りないというケースもあるでしょう。EC運営業務は、予想以上に多岐にわたり、かつ細かい作業も多いためです。そのような場合には、改めて必要な業務の洗い出しから始めることが重要です。そして、誰がどの業務を担当するのかを決めていきます。既存メンバーだけで、兼任して対応することもできるとは思いますが、商品企画やECサイト制作、プロモーションなど、専門的な知識や経験値が必要な場合も多くあります。どこまで社内で対応できるのか、あるいはどこから外部へ依頼した方が効率的かなどを検討することがポイントです。プロ人材起用でノウハウ補完も外部へ依頼したい業務領域がある場合、専門の会社にアウトソーシング(外注)するケースもあると思いますが、専門的な知識や経験を持ったプロ人材を業務委託でアサインし、チームの一員として参画してもらうという方法もあります。具体的には、ECサイトの立ち上げ経験があるフリーランスの人材やマーケティングスキルを豊富に持った人材、Web制作会社に勤務している副業人材など、即戦力となるような外部の人材です。社員を採用して育成する時とは異なり、早期にEC運営の実務に着手できますし、完全に運営会社に任せるのとは違って、実務の中でノウハウを吸収し、社内へ蓄積できるというメリットがあります。中長期的に見れば、ノウハウを増やしていくことで、自社でEC運営して成果に繋げられるので、継続・改善が必要なEC運営では外部人材活用という選択肢が有効であることがうかがえます。EC市場で成功するための人材活用方法の詳細や、スキイキでの成功事例を以下で紹介しているので参考にしてくださいね。EC攻略は人材活用・体制がカギ!? 採用いらずの立ち上げ・運営方法を事例付き解説 - スキイキマガジンいかがでしたか?EC運営は、業務を細分化すると多岐にわたっており、人員が必要になるケースもあります。特に、マーケティング活動の領域は売上に直結する部分で、業務をこなすには専門的なスキルや経験をもつ人材が必要になります。スキイキのような外部人材とのマッチングプラットフォームも活用することで、即戦力となる人材と協働しながらEC運営が可能になります。ぜひ経験豊富な外部人材の活用も検討して、EC市場で伸びる企業の仲間入りを果たしてはいかがでしょうか。