今回は、「EC業界における人材活用」について取り上げます。近年デジタル化が進むと同時に、コロナ禍を経た影響も相まって、EC業界は大きく成長し続けています。そのため、大手企業でもEC事業の担い手として副業人材を募集するというケースも出てきています。さらなる市場拡大が予想されるEC業界では、今後人材不足がより加速すると考えられます。そこで、本記事では、EC業界の人で不足を解消する方法としてのプロ人材活用やスキイキでのマッチング事例をご紹介します。市場・ニーズ伸長の流れは続くものの、最適な人材確保が難しいのがEC業界?経済産業省が2022年8月に発表した『令和3年度電子商取引に関する市場調査』によると、令和3年(2021年)における国内のEC(BtoC)市場規模は20兆6,950億円。前年度(令和2年:2020年)はコロナ禍突入の影響を大きく受け、旅行や娯楽系チケットなどの分野の縮小により全体の市場規模は減少していましたが、今回の最新調査では前年比7.35%増と復調し、右肩上がりの傾向が再びあらわれています。内訳としては、「物販系分野」が長年変わらず伸び続けており、コロナ禍の流れを受けて伸びた前年伸長率ほどではないものの、8.61%増という結果になっています。また、旅行や飲食、チケット販売をはじめとした「サービス系分野」は、前年に大幅な縮小を余儀なくされましたが、中でもチケット販売分野の回復が顕著で、前年のマイナス伸長率を上回る伸長に転じ、分野合計の伸長率を牽引しています。そして、電子書籍やオンラインゲーム、音楽・動画配信などの「デジタル系分野」は、巣ごもり需要の浸透により全体的に着実な成長を続けている状態です。このように、ECの国内市場はこれまで過渡期として浸透が進んでいる段階として、社会状況の影響を受け変動しやすいものでもありましたが、徐々に “当たり前” の事業の集客・販売方法として定着しつつあると言えます。かつてはSNSを活用している事業者が珍しくも見えましたが、今では多くが有効活用しているのと同様のイメージですね。しかし、ECサイトの運営業務は業務内容が多岐にわたり、人員が少ない場合には一人当たりの業務が増えているのが実態です。商品企画からマーケティング、発送・物流管理、顧客フォローのほか、データ処理などの業務を抱え、現状維持が精一杯というケースもあります。EC運営の流れと必須スキルまとめ!プロのノウハウの活用方法も解説 - スキイキマガジンまた、EC業界では人材の需要が高い一方で、応募が少ない上、定着率も低いという課題もあります。これは、EC業務が職種として認知度が低く、ほかの職種と比べてキャリアパスが描きにくいことが理由として挙げられると言います。この状況を長期的に見て改善していくことももちろん必要ですが、外部環境の変化が激しい今の時代においては、短期的に即戦力となる人材を獲得することが重要になってきます。その際の選択肢になるのがフリーランスや副業などの外部のプロ人材活用です。プロ人材は、様々な企業での経験が豊富であったり、専門性の高い知識やノウハウを持っています。また、業務委託による協働となるため、新卒採用や業界未経験の人材のように業務内容にギャップを感じて離職してしまうということがありません。そのため、ECの事業計画に沿って人材を活用できれば、より最適なECサイト運営を行うことができ、売上向上につなげられると考えられます。外部人材の活用はエンジニアのイメージが強いかもしれませんが、EC業界こそ活用の場があると言えるのです。EC業界にプロ人材の業務委託活用がマッチしやすい最大の理由EC業界で外部のプロ人材を活用するメリットを、特に大きなポイントとなる観点に絞ってご紹介します。【メリット1】多数の社員採用や育成が不要になるEC業界に欠かせない経験豊富なEC担当者や、優秀なWebマーケター、アナリストは需要が高く、希望通りの条件で社員として採用することは非常に難しいのが現状です。上述の通り、ECにまつわる業務は多岐に渡ることもあり、時間をかけて未経験の人材を育成するのも、逆にその全てを即戦力人材の採用で補おうとするのも、いずれも現実的とは言い切れません。高い専門スキルを持ちながら、雇用関係ではない形で、スピーディーに業務推進・サポートをしてもらえるというのがプロ人材活用のメリットと言えます。【メリット2】短期間で期待した成果を得やすいEC事業の戦略立案から施策提案、運用まで企業のフェーズやプロジェクトの進行に合わせ、必要な期間に絞って業務を依頼できるのもメリットとして挙げられます。外部人材の参画の際には、稼働時間や成果物などで契約するため、短期間で求める成果を得やすいのが特徴です。加えて、新規に立ち上げを検討する場合、EC事業のためだけに中途採用に固執してしまうと、場合によっては事業の停止や方針展開がしづらくなってしまうという点もよく見落としがちです。期間や依頼したい業務範囲がある程度定まったプロジェクトなどで体制の計画が立てやすく、また事業のフットワークも軽く運営しやすくなるというのも、プロ人材活用ならではと言えます。プロ人材(外部人材)活用については、基本的な定義や特徴、様々な活用ニーズを事例とともに解説したプロ人材活用ガイド&事例集も無料配布していますのでぜひ参考にしてみてください。EC業界で外部人材の活用のイメージをより知っていただくために、ここでは即戦力となるプロ人材とマッチングできるプラットフォーム『スキイキ』でのマッチング事例を紹介します。【事例1】水産加工会社による新規ECプロジェクト立ち上げたった2ヶ月でEC立ち上げ!「やってみよう」×プロ人材からの提案で事業を形に鰹のたたきやマグロのネギトロなど、冷凍の水産加工業を行なわれている地方地場企業によるチャレンジングな事例です。自社船や自社工場も持ち合わせている一貫体制を活かし、市場や大手スーパーなど法人向け以外の、新たな個人消費者向けの活動としてEC事業の新規立ち上げプロジェクトに着手。限られた既存社員のスキルやリソースだけでは形にすることができないと考え、外部のプロフェッショナルとリモートベースでタッグを組み、たった2ヶ月で立ち上げを実現されました。ECサイトの運営状況・分析なども踏まえながら、ターゲットを柔軟に切り替えたEC用の新商品開発なども模索できるよう、最適な体制づくりによって不可能を可能にした事例と言えます。【事例2】CATV会社サポート企業によるECサービス・販路拡大ケーブルテレビ会社のサポートを行う企業が、新規事業の販路拡大のために外部人材を活用した事例です。新たに開始していた衛生商品の販売代理事業において、直接営業が好調だったため、さらなる成長に向けECサイトの立ち上げ・販売を検討したものの、社内にノウハウのある人材がいないという課題の解消に向け『スキイキ』を利用されました。そこで、ECコンサルティングの実績が豊富なプロ人材とマッチング。社内リソースのみでは難しかった、ECサイト・サービスならではの販売戦略の立案・実行が可能になりました。また、一定期間の伴走後は、そのノウハウを学びとして蓄積し、自社リソース中心で日々の運用を行えるようになり、単なる外注・アウトソーシング以上の効果も実感されたとのことです。このように、EC業界は、即戦力・専門知見を存分に活かせる外部のプロ人材との協働でこそ、社内リソースなどに左右されず、どのような状況・課題があって立ち上げや運営、改善・最適化に踏み出せる分野として多くの事例があります。現状の事業資源を有効活用しがら効率的にスタートするには、「どのような人材・体制であれば自社でも出来そうか」という視点で、積極的にプロの知見・実働サポートを取り入てみるのがおすすめです。いかがでしたか?今後もEC業界における人材需要は高まり、いかに優秀な人材を獲得できるかが事業拡大の鍵となるでしょう。EC事業の成長のために、外部人材を活用して豊富なノウハウを蓄積し、自社運用をしっかり行なっていくのも一つの戦略です。ぜひ市場環境を注視しながら、『スキイキ』での人材マッチングもひとつの手段として視野に入れてみてくださいね。