今回はプロジェクトマネジメントとチーム作り(チームビルディング)について取り上げます。プロジェクトを円滑に進めていく上で、立ち上げ段階でしっかりと土台を作ることが大切です。本記事では、プロジェクトの立ち上げ時期の重要さを解説しながら、チーム作りを実践する上で押さえるべきポイントについてご紹介します。チームが機能する段階をチェック!ポイントはスピード感まず最初に押さえておきたいのは、チーム形成のプロセスです。オハイオ州立大学の元教授B・W・タックマン氏が1965年に提唱した「タックマンモデル」という組織マネジメントの理論では、チームの状態を下記の5つの段階で説明しています。【形成期】チームの初期状態であり目標などを模索している【混乱期】目標などを巡り混乱や意見の対立が生じる【統一期】目標や役割の認識が一致しチームが安定する【機能期】チームが成熟し個々の力が十分に発揮される【散会期】目標達成や制約によりチームが解散されるチームは、単なる集団から、個々の力を発揮し、チームとしての目標を達成できるように成長していくわけですが、プロジェクトマネージャーのリーダーシップによって、そのスピードが変わってきます。自然の状態に任せていれば、混乱期のフェーズがいつまでも続いてしまうという場合もありますし、メンバーの目指す目標を早期に明確にできれば機能期にスピード感を持って入ることができる場合もあるでしょう。早い段階でメンバーに情報共有を行なえば、目標や役割の認識を合わせやすいですし、リーダーにとってもリソースの確保やプロジェクトの可視化、プロジェクトの長期化でコストがかさむリスクも抑えられるでしょう。このように、チームが成熟し、個々の能力が十分に発揮されて成果が出る状態にするには、チームビルディングの初期段階のプロジェクトマネジメントが重要なのです。次からは、機能期までのリーダーの役割と、実際のマネジメントに活かせる具体的なアイデアをご紹介します。チーム立ち上げ時のリーダーの役割は?機能期へ向かうための3つのポイントチームビルディングをよりスピード感を持って行なう上で、リーダーの役割を3つに絞り、解説していきます。いかに早く機能期へ到達させることができるかのカギを握る部分です。【ポイント1】チームのミッションを早期に確立するプロジェクトの目的・目標を設定し、チームのミッションを明確にすることが重要です。共通の目標に向かってチームのメンバーが一致団結していくからこそ、成果につながる強いチームとなります。そのため、チームのミッションを明確にし、メンバーへ共有することがリーダーとしての大きな役割です。そうすることで、メンバー一人ひとりが、プロジェクトでの個人の目標や役割へと落とし込み主体的に動くことにつながるでしょう。【ポイント2】コミュニケーションのルールをはっきりさせる様々なバックグラウンドを持つメンバーが集まるチームだからこそ、コミュニケーションをとる上での前提作りもリーダーの役割です。最近は、働き方も多様化していることから、一人ひとりの働く環境や事情を理解しながら、コミュニケーション手段や頻度、議論のルールなど、積極的にコミュニケーションを取れるような環境づくりをすると良いでしょう。【ポイント3】チームメンバーの強みを活かすプロジェクトをチームで取り組むのは、メンバーが力を合わせたときに人数以上の力を発揮できるからです。メンバーがどんな強みを持っているのかを理解し、適材適所で力を活かせる場づくりをするのもリーダーの役目です。下記のようなチームビルディング効果を高めるための取り組みについても、ぜひチェックしてリーダーとして取り組めることから始めてみてください。ストレングスファインダー体験事例!チームで活用する工夫と、発見できた新たな気付きとは? - スキイキマガジンチームビルディングに活かせるアイデア6選!あなたのチームに合うものは?次に、チームの初期段階でリーダーが使える具体的なアイデアについてご紹介していきます。チームの段階に合わせて実践していくことで、プロジェクト推進にも役立つので、チームメンバーが揃う打ち合わせの最初や、定期的に時間を設けて行なってみるのも良いでしょう。形成期に活かせるアイデア名前リレー一人目から名前を順につなげていくゲームです。「私の名前はAAです」「AAさんの隣のBBです」「AAさんの隣のBBさんの隣のCCです」という風につなげていきます。メンバー同士のアイスブレイクを行なうと同時に、それぞれの名前を覚え、距離を近づける効果があります。他己紹介初めに小さなチームやペアで自己紹介をした後、別の人にその方を紹介するゲームです。メンバー同士のことを知るきっかけになるため、業務以外のコミュニケーションにもつながる機会を作ることができるでしょう。形成期だからこそ、メンバー同士で「知る」ことを心がけ、キックオフミーティングなどの形式を取って、このようなゲームをしてみると、業務の中でもコミュニケーションがとりやすくなると考えられます。混乱期に活かせるアイデア合宿業務の延長で議論を行なうと、時間の制約で妥協してしまうこともあります。ですが、合宿という業務から少し離れた場でテーマを絞り、しっかりと会話する時間を作ると、メンバーの考えを聞きながら議論をすることができるでしょう。この場を作ることで、メンバーの思考プロセスを理解する時間にもなると考えられます。外部研修メンバー同士が本音で話すことはなかなか難しいため、第三者にファシリテーターに入ってもらうこともポイントです。チームビルディングを目的としたプログラムに参加し、お互いの意見を引き出して議論すると、業務の中でも同様に取り組むことにつながるでしょう。統一期に活かせるアイデアランチ・食事会季節ごとのイベントをうまく活用し、BBQや鍋といったみんなで一緒に作ったりできるものを取り入れるのも良いでしょう。オンラインで行なう場合には、お取り寄せグルメなど同じものを食べるなど一体感が生まれる工夫をするのもおすすめです。スポーツ等のレクリエーションスポーツはルールも分かりやすいので、メンバーとで一緒に体を動かし、チーム力をアップさせてみると良いでしょう。ポイントとしては楽しみながら行なうこと。同じ目標に向かって取り組むのはスポーツも業務も同じなので、その姿勢を体感すると業務にも活かしやすいのではないでしょうか。大きなプロジェクトでのチームビルディングに役立つ「マネジメントの細分化」ここまでは、プロジェクトマネージャーのようなリーダーの役割と具体的なチームビルディングの方法について紹介してきましたが、ここからはより大きなプロジェクトにも活かせる「マネジメントの細分化」について解説します。大規模なプロジェクトになればなるほど、全てのタスクをプロジェクトマネージャーが一人で管理することは難しくなってきます。円滑なプロジェクトの推進にあたっては、プロジェクトチーム全体のチームワーク以前に、もう少し小単位のグループでのチームワークが重要です。まずは少数のグループごとにリーダーを配置し、グループのリーダーの動きをプロジェクトマネージャーが把握して連携を取ることがポイントです。そうすることで、それぞれの領域で抜け漏れなくタスクを管理でき、スムーズにプロジェクトを進行することにつながります。ここでひとつ押さえておきたいことがあります。各グループでのリーダーになる人材についてです。それぞれのグループで担当する領域について、専門的な知識や経験を持ちながら、チームビルディングに必要なリーダーシップなども発揮できる人材である必要があります。しかし、そのようなスキルを持った人材はすでに別のプロジェクトリーダーを担っているケースも多く、なかなか適任者がアサインできないということもあるかもしれません。そういった場合に選択肢になりうるのが外部のプロ人材活用です。プロ人材は、豊富なノウハウや知見を持っているのはもちろんのこと、自身で案件も受注したり、タスク管理したりしながら業務を回しているハイスキルな人材です。様々な企業での経験も豊富で、チームを客観的に見ることのできる視点も持ち合わせていることが多く、必要なマネジメントスキルにも期待しやすい存在でしょう。規模の大きいプロジェクトの際はもちろん、専門的なスキルが必要なプロジェクトを推進していくために、スキイキのようなマッチングプラットフォームでプロ人材を探し、活用への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。プロジェクトマネージャーひとりではなく、外部の即戦力を含めたチームビルティングで業務推進することを意識し、チームを早期に機能させる状態に持っていきましょう。無料配布中のプロ人材活用ガイド&事例集では、業務委託での即戦力活用における基本知識や様々な業界での厳選事例などをご紹介しています。プロジェクトマネジメントにおけるリーダー人材に限らず必要なタイミングで様々なノウハウ・リソースを確保することで柔軟性の高いチーム作りができるなど、多くの活用メリットがありますのでぜひ参考にしてみてください!プロジェクトマネジメントにおいては、立ち上げ期が最も重要な時期です。マネジメントを細分化し、各チームのリーダーとタッグを組むことがポイントになってきます。ぜひ外部のプロ人材採用・活用も視野に入れながら取り組んでみてはいかがでしょうか。